研究課題/領域番号 |
21H04318
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3250:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
大久保 瞳 日本体育大学, 事務職員
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2021年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 時間的プレッシャー / エラー反応 / 速度と正確性のトレード・オフ |
研究開始時の研究の概要 |
競技者は、時間的プレッシャーといった負荷がかかる中での意思決定が求められる。それ故、相手の行動や状況に注意を向け、次の動作や戦術を瞬時に実行できるか否かが試合の勝敗を大きく分ける。このような認知スキルに関わる脳内の情報処理過程を詳細に観察するために事象関連電位(ERP)を用いた精神生理学的方法がある。ERPを用いてエラーを定量的・客観的に評価することが可能となれば、スポーツ現場において指導者および競技者は、科学的根拠をもとに認知スキルを評価することができるだろう。 そこで本研究では、時間的プレッシャー下におけるエラー発生メカニズムを明らかにし、ERPを利用して競技者の認知スキルの評価に挑む。
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研究成果の概要 |
本研究では、制限時間の強度がエラー発生に及ぼす影響について検討した。課題には反応様式と制限時間の強度を操作したフランカー課題を用いた。その結果、反応様式の複雑性に関わらず、制限時間が300 ms以下の場合には速度と正確性のトレード・オフが確認されたが、制限時間が350 ms以上の場合にはその現象は確認されなかった。よって、制限時間の強度が高まるにつれ、実験参加者は制限時間内に反応することを優先させるため、エラー発生につながることが示された。今後は他の指標の分析を進め、より包括的にエラー発生メカニズムについて検討し、競技者の認知スキルの評価を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの時間的プレッシャーの研究において、制限時間の設定方法は研究によって様々であり、明確な基準が確立されていなかった。本研究では、制限時間の強度がエラー発生に及ぼす影響について、反応様式と制限時間の強度を操作したフランカー課題を用いて検討した。その結果、制限時間が300 ms以下の場合には速度と正確性のトレード・オフがみられるが、制限時間が350 ms以上の場合にはその現象がみられないことを明らかにした。この結果は、時間的プレッシャーと選択反応課題の研究における制限時間の設定基準として広く活用できる可能性があり、競技者の認知スキルを評価する基礎的なデータとして示すことができたと考えられる。
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