研究課題/領域番号 |
21H04340
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 渉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20314411)
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研究分担者 |
井奥 陽子 東京藝術大学, 美術学部, 研究員 (60836279)
久保 昭博 関西学院大学, 文学部, 教授 (60432324)
後藤 正英 佐賀大学, 教育学部, 教授 (60447985)
多久和 理実 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (20814718)
武田 将明 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10434177)
濱本 真実 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (00451782)
増田 都希 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師(非常勤) (50760633)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
37,180千円 (直接経費: 28,600千円、間接経費: 8,580千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2022年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 啓蒙 / 物語 / ナラティヴ / 18世紀 / 陰謀 / 思想史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は〈物語〉概念を批判的に援用しつつ、啓蒙期ヨーロッパ社会に生じたさまざまな変化について分析することを目的とする。まさしく啓蒙の語が〈何者かが何者かを啓蒙する(ことを通じて何事かを実現する)〉という物語構造を含意する。特に、啓蒙の賛同者/敵対者双方による〈陰謀論〉が横行した時代としての18世紀を分析する上で必須の観点といえる。ただし、物語に着目した思想史的研究には、解決すべき方法論上の問題もある。このため本研究は、思想史研究における物語概念の検討をおこなう〈理論的研究〉と、研究代表者と研究分担者の専門とする地域ないし分野を横断的に考察する〈歴史的研究〉という2つの方向で進められる。
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研究実績の概要 |
18世紀ヨーロッパにおける啓蒙期の思想・言説状況を〈物語=ナラティヴ〉の観点から捉え直すことを課題として、共同研究に取り組んだ。
研究代表者の齋藤渉は、第一年度の前半にウィーン大学のペーター・ベッカー教授を受け入れ先として研究滞在をおこない、カトリック・ドイツ語圏における啓蒙と物語(ないし陰謀論)を主題とする基礎研究を進めた。また、七名の研究分担者の協力のもと、18世紀ヨーロッパの思想・言説状況について、それぞれの専門地域・ディシプリンを活かした共同研究をスタートさせた。
理論的研究においては、文学テクストを範例として精緻化されてきた〈物語=ナラティヴ〉理論に加え、他の分野での物語概念を、それぞれの理論的文脈を考慮しつつ、比較考察する作業を進めた。特に、ジャン=マリー・シェフェール(2020)による原=物語性の研究、ロバート・J・シラー(2019/20)によるナラティヴ経済学の考察などが、物語概念の拡張にとって重要な参照項となることが示された。歴史的研究においては、特に18世紀後半の言説において、1773年に解散させられたイエズス会をめぐる陰謀論が、秘密結社との構造的浸透を深める啓蒙の思想状況と相まって、複雑な問題を提起することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの世界的蔓延の影響で、特にヨーロッパへの渡航が大幅に制限されたことにより、資料調査や国際的研究の遂行に関して大きな制約が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
理論的・歴史的研究の成果を活かしつつ、対面・オンラインでの共同研究の場を積極的に設けて、知見の共有を進めるとともに、研究上の具体的な問題設定の深化をはかる。
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