研究課題/領域番号 |
21H04364
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東北学院大学 (2024) 東海大学 (2021-2023) |
研究代表者 |
木山 克彦 東北学院大学, 文学部, 准教授 (20507248)
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研究分担者 |
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
正司 哲朗 奈良大学, 社会学部, 教授 (20423048)
森部 豊 関西大学, 文学部, 教授 (00411489)
笹田 朋孝 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
29,640千円 (直接経費: 22,800千円、間接経費: 6,840千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | ウイグル可汗国 / 突厥 / 室韋 / 靺鞨 / シャルツ・オール1遺跡 / 城郭 / 土器から見た地域間交渉 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、モンゴル北東部国境、大興安嶺北部両麓地域を対象に、ウイグル可汗国期の北東境界の様相について考古資料と史料の検討から、実証的に跡付けることを目的とする。具体的には、1)北東境界に設置されたシャルツ・オール1遺跡の発掘調査から、その建造技術と構造を明らかにする。2)同期の城郭統治・交通網の基礎的データを纏め、同遺跡の性格を検討する。3)大興安嶺北部両麓の考古学的諸文化を再検討し、通時的な文化変遷を示す。そしてウイグル可汗国北東境界域に在する室韋の成立と同国との関係を検討する。4)当地域に関する史料の分析を実施し、1)~3)の考古学的成果と比較検討を加え、当期の総合的復元を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、モンゴル北東部国境、大興安嶺北部両麓地域を対象として、ウイグル可汗国期を中心とした時期の北東境界の様相について考古資料と史料の検討から、実証的に跡付けることを目的としている。そのためには、遺跡・遺物の所在するモンゴル、ロシア、中国各国に実際に赴き、分析する必要がある。しかし2021年度は、世界的な新型コロナウイルスの蔓延によって、渡航することは困難であった。そのため、まず調査再開が可能となった時期に向けて、効率的な調査研究環境を整えることとした。そして国内でも収集可能なウイグル可汗国の城郭データ収集を行った。作業は各国の研究協力者の協力を得ながら実施した。また既にある調査データに、分析を加え、成果の公表を行った。現地調査は、予算を繰り越し、2022年度に以下の調査を実施した。 ウイグル可汗国の本拠地であるオルホン川流域にある同国の城郭の踏査を行い、幾つかの城では高精度GPSとUAV測量を行った。結果、ウイグル可汗国の城郭に特有な特徴を見出すことが出来た。得られたデータは当該期の城郭分布図の基礎作成に向けてArcGIS上で展開させている。またモンゴル国北東部ドルノド県に在するシャルツ・オール1遺跡の発掘調査を行った。2017年からの継続調査であるが、本年は、東門址を発掘調査した。その結果、井桁状の地覆で門の上屋を支える基礎構造を検出した。これまでに類例のない城門構造である。また調査の結果、同遺跡の構造をより正確に把握できた。想定した城の設計尺は、妥当なものであることが分かるとともに、施工もかなり正確に行われていることが分かった。また同遺跡の資料整理・分析とともに、モンゴル科学アカデミー、国立博物館に収蔵されている突厥からウイグルの瓦を分析を加えた。その分析については、現在整理中である。尚、上記の遺跡踏査、発掘調査の内容の幾つかは成果刊行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、現地での調査ができなかった。しかし、2022年度に予算を繰り越して、モンゴルで予定した調査は達成できた。またその成果は、計画当初以上のものであった。ただし、中国では2022年度同ウイルスの影響は長引き、現地調査ができなかった。またロシアも同国のウクライナ侵攻の影響で、渡航しての調査ができていない。当初より遅れはあるものの、実施した調査研究はおおむね順調に出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
モンゴルでの調査研究は極めて順調である。中国では2022年度も新型コロナウイルスの影響で渡航できなかったが、次年度以降は問題ないと思われる。ロシアでの調査については、現地調査の実施の目途を立てることが出来ないので、モンゴルでの室韋関連遺跡の調査を代替とする予定である。
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