研究課題/領域番号 |
21H04370
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
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研究分担者 |
高瀬 克範 北海道大学, 文学研究院, 教授 (00347254)
新里 貴之 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40325759)
村上 夏希 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (90801267)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,600千円 (直接経費: 32,000千円、間接経費: 9,600千円)
2024年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2022年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 土器残存脂質 / 縄文時代 / 弥生時代 / 稲作 / 調理 / 脂質 / 土器 / 縄文 / 弥生 / 安定同位体 / 食性 / 考古生化学 / 考古科学 / 東北アジア / 生体分子 / 雑穀 / ガスクトマトグラフィー / 残存脂質分析 / ガスクロマトグラフィー / 考古学 / 日本海 / 生物指標 / 水産資源 / 穀物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国大陸に起源したイネおよびアワ・キビの農耕文化が、東北アジアへと拡 散したことに伴って、各地でどのような食や調理形態の変化をもたらしたのか(あるいはもたらさなかったのか)を、考古生化学の研究方法によって明らかにしようとする。この問題について、これまではイネ・アワ・キビなどの植物遺体や土器圧痕をもとにした、「ある・なし」が議論の中心となってきた。そこで本研究では、土器残存脂質分析と安定同位体比分析という二つの考古生化学的方法を合わせて用いることにより、イネやアワ・キビなどの穀物は勿論のこと、他の植物・動物資源も視野に入れ、農耕文化の波及と食の変化について複合的な評価を行う。
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研究実績の概要 |
今年度までに、30遺跡から得られた試料である739点の土器胎土、112点の付着炭化物からの脂質の抽出、GC-MS,GC-c-IRMS分析を完了した。分析結果に基づいて縄文時代から弥生時代への転換期にあたる、日本各地および朝鮮半島における対象時期の調理内容について検討した。キビの生物指標を複数の試料から検出するなど新来の要素も確認できたものの、全体的に縄文的要素の色濃い残存状況が確認された。中部地域の6遺跡(愛知県3、山梨県3)を題材にCulinary continuity in central Japan across the transition to agricultureと題する論文を共同研究者とともに執筆し、国際誌Archaeological and Anthropological Sciencesにアクセプトされた。まもなく出版される予定である。また、九州および朝鮮半島の成果についても分析結果をまとめ、次年度の日本考古学協会第90回大会にて研究発表をおこなうことになっている。その他、中国地方、関東地方、東北地方の分析結果についても考古学的情報との対応関係などを整理中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験の進捗状況、成果の出版状況などから、順調に進んでいるものと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
地理的・時期的に補強が必要なものについて整理し、さらなるサンプリング・分析をおこなうとともに、これまでに蓄積した多くのデータを有効に活用し、論文としてまとめていくほか、博物館の特別展示などを通じ、一般向けの情報発信にも力を入れる予定である。具体的には、あいち朝日遺跡ミュージアム、出雲弥生の森博物館ですでに展示協力をおこなう計画となっている。
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