研究課題/領域番号 |
21H04377
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大山 修一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (00322347)
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研究分担者 |
原 将也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00823147)
近藤 史 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (20512239)
阪本 拓人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40456182)
中澤 芽衣 摂南大学, 現代社会学部, 助教 (40845731)
中野 智子 中央大学, 経済学部, 教授 (70295468)
桐越 仁美 国士舘大学, 文学部, 講師 (70793157)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,210千円 (直接経費: 31,700千円、間接経費: 9,510千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
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キーワード | サヘル / 砂漠化 / 紛争 / 環境修復 / 平和構築 / 緑化 / 民族紛争 / テロリズム / ニジェール / 国際連携 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は住民の内発的な環境保全にもとづく牧畜森林(パストラル・フォーレスト)の創出により、人口爆発と土地不足、飢餓・貧困、民族紛争・テロという負の連鎖スパイラルの転換を目的としている。牧畜森林を核とし、住民の生業と生活の支援、民族紛争・テロの抑止に向けた実践と評価、生態系の機能に関する科学的評価、そしてシミュレーションによる民族紛争・テロ発生の予測という、実態把握・実践・評価・予測にもとづくアクション・リサーチを現地の研究機関と共同で推進し、サヘル地帯における平和貢献モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
2021年度の研究経費を繰り越すかたちで、2022年度の研究計画を遂行した。2021年度にはニアメ市近郊の4か所に12ヘクタールの緑化サイトを建設し、ニアメ市清掃局によって投入されたゴミの量は合計1176トンとなった。 ニアメ市内で出てくるニアメ市内で出てくるゴミの重量の7~8割は砂と剪定枝、家畜の糞、植物残渣といった農地の土壌に還元できるものである。多くの住宅地においてはゴミが多く散乱し、住民が衛生的な生活をおくることができていないという喫緊の課題がある。阪本は、そのようなゴミ捨て場で放牧される家畜の群れを追跡し、テロによりニアメ市内に定着せざるを得ない牧畜民の生活を明らかにしようとフィールドワークを継続している。 ニアメ市内には無計画にゴミ捨て場が増加し、不衛生な状態が放置されている。もとより栄養分の少ない地域生態系のなかで、ゴミの栄養分が農業や環境修復に利用されていないという現状がある。中野はそのようなゴミ捨て場や貧栄養状態の農地における土壌呼吸をチャンバー法によって明らかにしようとデータを収集している。 農村の住人は食料生産の低下に苦しみ、毎年のように食料不足や飢餓に困っている有り様である。2022年度のトウジンビエ収量が低かったこと、物価の高騰もあって、生活の困窮はひどい。収穫期が終了して2か月後には、農産物の貯蔵が枯渇し、住民たちは日々の食料の調達に奔走している。農村の住民は農耕民(ザルマ、ハウサ)であれ、牧畜民(フルベ、トゥアレグ)であれ、都市のゴミに高い土壌改善効果をもっていることを理解しており、都市からのゴミの入手を強く希望している。ニアメ市における本プロジェクトの取り組みによって、ニジェールをはじめ西アフリカのサヘル帯、そして日本およびグローバルなゴミ処理の問題解決、環境の修復や有機農業のあり方、気候変動の対策、そして地域の平和構築につなげていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニジェール政府環境・砂漠化対策省やニアメ市、ニアメ大学、国立気象局と連携を強化することによって、環境修復による地域住民の生業支援と平和構築を進める実践的、かつ理論的な研究に進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
ニジェール環境・砂漠化対策省による本プロジェクトの評価を受けつつ、ニジェール政府やニアメ市、ニアメ大学、国立気象局と連携を深めながら、研究活動と平和構築の実践、広報活動を積極的に進めていく予定である。
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