研究課題/領域番号 |
21H04386
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
水島 治郎 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30309413)
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研究分担者 |
中北 浩爾 中央大学, 法学部, 教授 (30272412)
西山 隆行 成蹊大学, 法学部, 教授 (30388756)
野田 昌吾 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (50275236)
古賀 光生 中央大学, 法学部, 教授 (50645752)
今井 貴子 (小関貴子) 成蹊大学, 法学部, 教授 (60552859)
作内 由子 獨協大学, 法学部, 准教授 (60631413)
伊藤 武 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70302784)
上谷 直克 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 主任調査研究員 (80450542)
中山 洋平 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90242065)
高宮 秀典 拓殖大学, 政経学部, 助教 (80955401)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
39,260千円 (直接経費: 30,200千円、間接経費: 9,060千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | ポピュリズム / 既成政党 / アメリカ大統領選挙 / アウトサイダー / 排外主義 / 国際比較 / 左派ポピュリズム / 右派ポピュリズム / 格差 / ドナルド・トランプ / グローバリゼーション / エリートと人民 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「右」と「左」の「二つのポピュリズム」をグローバルな視点から包括的に比較検討し、その動態を解明することを目的とする。具体的には、近年各国で顕著に拡大し、既存の政治体制や国際秩序を揺るがせているポピュリズムについて、「右派」と「左派」(およびその混合形態)という観点から比較分析し、なぜ左派ポピュリズムと右派ポピュリズムが並行して支持を伸ばしているのか、両者の相違は何か、各国政治や国際秩序にそれぞれいかなる影響を与えているのかを明らかにすることで、現代デモクラシーにおけるポピュリズムのもたらすインパクトを解明しようとするものである。
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研究実績の概要 |
2022年度は、以前として新型コロナウィルスの影響が残り、当初計画していた参加メンバーによる海外渡航と実地調査による資料収集は進まなかったものの、他方で国内における研究活動はほぼ通常に復してきた感があり、オンラインを含め、多様な成果をあげることができた。まずはアメリカ大統領選挙関係である。周知のようにトランプ元大統領の影響力は依然としてアメリカ政治に影を落としており、2022年秋の中間選挙は一時は共和党の大勝という予測もあり、アメリカ政治のポピュリズムの展開には強い関心が集まった。そこで本科研においては、アメリカ政治とポピュリズムをめぐる検討会を実施したのみならず、同時通訳を用いた国際オンラインセミナーを開催し、日米両国を代表するアメリカ政治研究者に登壇いただき、中間選挙を糸口とするアメリカ政治の歴史的文脈についてご講演いただき、討論を行った。参加者は130名に及び、日米欧はもちろん、メキシコなどのラテンアメリカからの参加と質問があり、研究者・一般市民はもとより著名なジャーナリストも参加し、関心の高さを示すものとなった。次に、ポピュリズムと新型コロナウィルスの影響についても検討を進め、英文論文をまとめ、刊行に道筋をつけることができた。そもそもポピュリスト指導者は、概して新型コロナウィルスの影響を軽視し、科学的知見に耳を傾けない傾向があり、トランプ大統領の落選など打撃を受ける傾向にあるが、野党のポピュリストは政権のコロナ対策批判で支持を伸ばす例もある。これらの比較分析を行ったことで、コロナと政治の関係を理解する重要な材料を提供できたと考えている。また、本科研の成果を日本語で発信すべく、出版社側の内諾をいただき、論集刊行について大まかな流れをつけることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前述のように、本年度は国際オンラインセミナーの開催に成功し、しかも内外の多数の参加者を得て社会的インパクトのある事業を行うことができたこと、本科研の成果公開について、国内の有力出版社が論集出版に強い意欲を示し、その方向で準備が着々と進んでいることから、当初の計画以上に進展しているといえよう。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、以下の諸点がある 1.国際発信の強化。すでに英文論文の執筆を進め、当該論文は国際的に著名な学術出版社から刊行予定の論集に所収される予定であるが、さらなる多様な媒体における英文刊行を進めたい。 2.研究成果の学術的・社会的なインパクトを目指し、論集刊行を通じた成果発信を強化するととともに、オンラインセミナーを通じた、関心のある多様な層に訴求する成果の公開、議論の喚起を図りたい。
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