研究課題/領域番号 |
21H04392
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 勇介 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70290921)
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研究分担者 |
馬場 香織 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (10725477)
中沢 知史 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (20882541)
舛方 周一郎 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 准教授 (40734538)
出岡 直也 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (50151486)
千代 勇一 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (90806382)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2024年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2023年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2022年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2021年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 政党システム / 政治過程 / 比較分析 / ラテンアメリカ / 低成長期 |
研究開始時の研究の概要 |
2010年代に世界経済が低成長段階に入り、社会紛争が亢進する中で、各国の政党システムと政治が不安定化する例が増えている。一方、安定化したり、安定的な状態を維持している国もある。本研究の目的は、そうした政党システムの安定性/不安定性の原因を明らかにし、不安定化傾向を克服する条件や過程を究明することにある。中南米(ラテンアメリカ)の政党システム変動状況の典型例であるアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、メキシコ、ペルー、ウルグアイの6ヶ国を比較分析し、事例間の共通性と相違点を考察する。そして、地域内外の他の例と比較し、事例分析結果の一般化を探究する。
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研究実績の概要 |
研究計画の3年度目となった2023年度は、前年度に引き続き各研究分担者の状況に応じて現地調査を順次実施し、研究計画の第一段階の課題である担当国の情勢分析を深める一方、研究計画の第二段階のテーマとして設定している事例間の比較分析ならびにその作業をつうじての比較分析枠組みの一般化にむけた検討を開始した。現地調査は、勤務先の都合で出張が叶わなかった千代を除く5人のメンバーが実施し、千代は現地研究協力者の助けを得ながら担当事項に関する研究を進めた。 メンバーによる研究会は3回に分けてzoomにより実施し(5月、10月、2月)、各メンバーが担当国の現状と動向を報告するとともにそれを作り出す動態について分析した。そのうえで、事例間の共通性と相違点を明らかにし、比較分析枠組みの検討を行った。安定化傾向を示していたアルゼンチンやメキシコも、政党政治が不安定化している傾向が引き続き確認でき、低成長という制約の下で一般治安の悪化や汚職の問題が争点として重要となってきていることがあるようで、来年度での調査分析で検証することにしている。 研究会と並行して、前年度の継続でペルーに焦点を合わせたセミナー(zoom開催)を6月に開催し、実務関係者や海外在住の研究者の参加も得た。ペルーについては、ラテンアメリカの関係者の間での関心が高いこともあり、日本ラテンアメリカ学会の大会でパネル「ペルーの政治危機とのその構造的背景」を企画し(6月)、100名弱の参加があった。また、それをベースとして論文集『現代ペルーの政治危機─揺れる民主主義と構造問題』を商業出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響による初年度と2年目の計画の遅れは完全に取り戻すことができており、学会でのパネルや関連論文集の出版など成果公開も始めている。担当する国の分析は各研究分担者とも計画の想定どおりのペースで進めており、それぞれの分析はかなり緻密なレベルになってきている。同時に、事例間の比較分析も開始し、比較から得られる担当ではない国の情勢を踏まえて担当の国の事象について検証するフィードバックも進んでいる。そうした成果を踏まえて、比較分析枠組みの一般化にむけた議論にもより多くの時間と精力を向けてきている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は研究計画の最終年度である。担当する各国の状況と動向の分析を最終的に仕上げ、各国の分析を踏まえた比較分析を深化させると同時に比較分析枠組みの一般化にむけた議論を本格的に実施する。計画のとおり、比較分析ならびに比較の枠組みの検証を行う際には、ラテンアメリカの他の国や他地域と比較する機会を研究会の場で設ける。そうした分析と検証の成果は、関連学会でのパネルを企画したり、日本語やスペイン語の論文集の準備を進めることでまとめを行う。論文集については、スペイン語での企画の話がアルゼンチンの海外研究協力者との間で出ていることから、これを前進させることをとりあえずは優先することとしたい。
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