研究課題/領域番号 |
21H04407
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 (2024) 国立社会保障・人口問題研究所 (2021-2023) |
研究代表者 |
釜野 さおり 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20270415)
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研究分担者 |
山内 昌和 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90415828)
石田 仁 淑徳大学, 地域創生学部, 教授 (40601810)
岩本 健良 金沢大学, 人文学系, 准教授 (50211066)
小山 泰代 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 第3室長 (70415826)
三部 倫子 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70639012)
申 知燕 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (90866716)
武内 今日子 関西学院大学, 社会学部, 助教 (20980585)
千年 よしみ 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 特任主任研究官 (00344242)
平森 大規 法政大学, グローバル教養学部, 助教 (10965718)
藤井 ひろみ 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50453147)
布施 香奈 国立社会保障・人口問題研究所, 情報調査分析部, 第3室長 (10713480)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,950千円 (直接経費: 31,500千円、間接経費: 9,450千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 35,230千円 (直接経費: 27,100千円、間接経費: 8,130千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | SOGI / 性的マイノリティ / LGBTQ+ / 調査票調査におけるSOGI項目 / ジェンダー統計 / LGBTQ / LGBTQ等 / SOGIを捉える設問 / 性別聴取 / 認知インタビュー / 量的調査 / LGBT / SOGIを捉える社会調査 |
研究開始時の研究の概要 |
性的マイノリティは学術的にも社会的にも注目されているが、現状把握に必要な全国を統計的に代表するデータはない。本研究では日本全体に一般化できるデータに基づいて、経済状況、健康状態、出生や移動などの人口学的行動や意識が、性的マイノリティ当事者と非当事者との間でどのように異なるのかを、統計的な裏付けにより明らかにすることを目指す。一般人口対象の無作為抽出による全国調査を実施し、性的指向および性自認のあり方(SOGI)が生活に及ぼす影響を定量的に示す。SOGIに関する調査で普及しているモニタ型ウェブ調査を実施し、無作為抽出調査の結果と比較する。SOGIを捉える設問を精緻化させ、ガイドラインを確立する。
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研究実績の概要 |
本プロジェクトの要である全国SOGI無作為抽出調査を、2023年2月に全国の18歳から69歳の18,000人を対象に郵送法(ウェブ回答併用)により実施した。調査対象者は2022年住民基本台帳から都市規模と地域区分による層化二段無作為抽出法によって抽出した。抽出と実査は、全国調査の経験が豊富な調査会社に委託した。 調査票作成にあたっては、2019年1月に実施した無作為抽出調査「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」(大阪市民調査)で用いた設問を再検討した。また、新たに家族形成の経験と希望、妊娠・出産・挙児にかかわる経験・希望、居住地移動の設問を検討した。2021年秋に実施した60代と70代の人びと対象としたSOGIをたずねる項目についての認知インタビューの結果も参考にした。 調査実施時には、「送付物一覧」、「アンケートご協力のお願い」、「外国語によるアンケートのご案内」、「Q & A アンケートの対象者になった方へのご説明」、「インターネット回答のご案内」を調査票と共に対象者に送付した。また、調査対象者向けのホームページを作成し、回答方法や調査および研究の背景などを詳細に記載した。調査開始直前には、調査を実施する旨を早稲田大学の広報を通じてプレス・リリースした。 そのほか、第74回日本人口学会大会において設けた企画セッション「セクシュアリティの人口学の現在とこれから」や他の学会で、JSPS科研費16H03709で実施した大阪市民調査のデータを用いた分析や、人口学と性的指向と性自認のあり方に関する研究成果を報告した。またデータアーカイブ構築に向け、「日本におけるLGBTQ+に関する調査等一覧」(釜野・平森・岩本編)を公開した(適宜更新予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り年度内に、回答者のSOGIをたずねる設問を含む調査を、、住民基本台帳から無作為に抽出した住民を対象に実施し、年度内に概ね完了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
性的指向・性自認のあり方(SOGI)やパートナー関係(男女、男男、女女の組み合わせや、トランスジェンダーが含まれるか)によって、生活実態やウェルビーイングにどのような違いがあるのかについて、日本全体の傾向を明らかにすることを試みる。そのために、2023年2月に実施した全国SOGI無作為抽出調査のデータをさまざまな角度から分析し、全国SOGI無作為抽出調査の速報および報告書を作成し、結果を広く普及する。データクリーニングや分析を通じて、回答者のSOGIを捉える設問、結婚・パートナー関係、交際経験をたずねる設問の評価を行う。 加えて、以下の研究を進める。1)2021年度に実施した高年齢層対象のSOGI設問についての認知インタビューの結果を考察し、認知インタビューの結果をワーキング・ペーパーや論文としてまとめる。2)次年度以降に向け、他の研究助成金で実施したSOGIの研究で多用されるモニター型ウェブ調査と、全国SOGI無作為抽出調査との比較を行うための方法を検討する。3)SOGIと、経済、健康、家族形成経験・経験、居住地移動希望などとの関連などの量的研究の動向、ジェンダー統計におけるSOGIの扱いについての動向を把握する。4) SOGIに関わるデータライブラリー構築に向け、日本で行われているSOGIに関する量的調査に関する情報を収集する。5) SOGI人口学のさらなる発展のため、国勢調査、世帯構成の問いを含む他の調査、「埼玉県多様性を尊重する共生社会づくりに関する調査」等の個票データの二次利用申請を行い、非典型的な世帯、SOGIによる意識や実態の基礎集計を行う準備を進める。
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