研究課題/領域番号 |
21H04412
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 泰之 名古屋大学, 教養教育院, 教授 (70273208)
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研究分担者 |
樋口 三郎 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (70272474)
宮崎 佳典 静岡大学, 情報学部, 教授 (00308701)
吉冨 賢太郎 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 准教授 (10305609)
川添 充 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (10295735)
福井 哲夫 武庫川女子大学, 社会情報学部, 教授 (70218890)
白井 詩沙香 大阪大学, サイバーメディアセンター, 講師 (30757430)
谷口 哲也 日本大学, 医学部, 准教授 (10383556)
市川 裕子 東京工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (10290719)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,820千円 (直接経費: 31,400千円、間接経費: 9,420千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2021年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | 理数系eラーニング / 数式自動採点 / 誤答分析 / 解答過程解析 / 理解過程 / 数学eラーニング / 解答過程分析 |
研究開始時の研究の概要 |
数式処理と連動し、数式で入力された解答の自動採点システムが普及しつつあり、理数系のeラーニングにも様々な可能性が出てきているが、その運用は担当者の経験に基づいて模索が続けられている。本研究は、数式自動採点システムを核とした理数系eラーニングを実施する教員のよりどころとなる、理数系eラーニングの運用モデルの構築を目的とする。その目的達成のため、どのような誤答を経て正答に到達したのかに着目した(I)詳細な解答過程の分析により学習者の理解過程を明らかにし、その基盤の上で、到達目標達成のための適切な(II)理数系eラーニングの授業設計、および(III) 効率的な運用の実現の3項目について取り組む。
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研究実績の概要 |
数式処理と連動し、数式で入力された解答の自動採点システムが普及しつつあり、理数系のeラーニングにも様々な可能性が出てきているが、その運用は担当者の経験に基づいて模索が続けられている。本研究では、数式自動採点システムの利用を核とした理数系e ラーニングを始めようとする教員がよりどころとすることのできる、理数系e ラーニングの運用モデルの構築を目的とする。その目的達成のため、どのような誤答を経て正答に到達したのかに着目した(I)詳細な解答過程の「分析」により学習者の理解過程を明らかにし、その基盤の上で、到達目標達成のための適切な(II)理数系eラーニングの授業「設計」、および(III)効率的な「運用」の実現の3項目について総合的に取り組む。研究期間を3段階のフェーズに分け、最初の段階の2021~2022年度は、既存の学習データを元に、計算過程のペン入力データの解析も含む、解答過程を解析するための方法論を確立し、学習者の理解過程を明らかにすることを目的としていた。 【PRTを活用した解答過程解析手法の確立】理数系eラーニングシステムとして、STACKを用い、その数式解答処理機構であるポテンシャル・レスポンス・ツリー(PRT)を活用した解答過程解析手法の確立に取り組んだ。今年度の成果としては、有向グラフを用いた解答過程の可視化を行った。 【計算過程が記された手書きノートを利用した学習データ解析法の探究】STACKの解答提出の際、デジタルペン入力による手書きノートを提出することのできるプラグインを用いて、データ収集のための被験者実験を行い、ノートのログデータ解析法の探究を行い、項目反応理論を用いることで、ノートのデータから得られた問題の難易度、学生の能力値との関係を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
欧米での数式自動採点システム利用視察を予定していたが、コロナ禍による渡航制限のため、2021年度はそれが実現しなかった。2022年度においても、訪問先との調整ができず、国際会議の中での研究交流にとどまり、十分な視察を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間全体の計画は次のとおりである。3段階のフェーズに分け、(I)2021~2022年度は,既存の学習データを元に、計算過程のペン入力データの解析も含む、解答過程を解析するための方法論を確立し、学習者の理解過程を明らかにする。その結果を基盤として、(II)2023 年度~2024 年度で、到達目標に応じた効果的なオンラインテストのデザインとそれを組み込んだeラーニング設計の指針を明確にし、(III)最終年度までに設計されたeラーニングを効率的に運用するための支援システムの開発を行う。
(I)に関連して、初年度じゅうぶんに実施できなかった、欧米での数式自動採点システム利用視察を行い、数式自動採点オンラインテストの問題の特徴、実施方法、運用体制などについて、視察を行うと同時に、最新の機能拡張についても意見交換を行う。また、(II)に関連して、オンラインテスト問題仕様MeLQS による問題の標準化、教材と連携したオンラインテストの問題の整備・蓄積、eラーニング設計の検討を行う。そして、(III)に関連して、問題開発者のためのオーサリング支援システムの整備、学習者のための数式入力支援システムの整備、システムの利用モニター調査、シンポジウムの企画・開催を行う。
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