研究課題/領域番号 |
21H04420
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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研究分担者 |
上野 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00760589)
遠山 朝子 一橋大学, 社会科学高等研究院, 講師 (10816549)
田邊 宏樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)
木村 健太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40589272)
片平 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60569218)
齋藤 菜月 名古屋大学, 情報学研究科, 研究員 (60844834)
日永田 智絵 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70807388)
長井 隆行 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (40303010)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2023年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
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キーワード | 生理 / 内受容感覚 / 感情 / 意思決定 / 予測 / 脳 / 身体 / 計算論モデル |
研究開始時の研究の概要 |
身体内部信号の予測的処理から生じる内受容感覚が、感情を創発し意思決定を導く、という仮説を次のように検証する。1)内受容感覚の予測的処理に基づく身体状態の制御、感情の創発、意思決定の過程を表現する計算論モデルを構築する。2)内受容感覚を操作して意思決定課題を施行し、そこで得られる行動、脳活動、身体活動のデータを計算論モデルにより解析し仮説を検証する。3)人間の身体と計測装置を融合したシステムであるセンサロイドを製作し、そこで得られたデータのモデル化により、感情概念が生成され主観的な情動が経験される原理を探求する。4)身体症状症を内受容感覚の不全と捉え、その特性を計算論モデルと実験により検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的:身体内部信号の予測的処理から生じる内受容感覚が、感情を創発し意思決定を導く、という仮説を次のように検証する。1)内受容感覚の予測的処理に基づく身体状態の制御、感情の創発、意思決定の過程を表現する計算論モデルを構築する。2)内受容感覚を操作して意思決定課題を施行し、そこで得られる行動、脳画像、脳波、自律神経系指標の時系列データを計算論モデルにより解析し、主観的感情の報告と照応させて上記の仮説を検証する。3)人間の身体と計測装置を融合したシステムであるセンサロイドを製作し、そこで得られたデータと、マルチモーダル潜在ディリクレ配分法によるモデル化により、内受容感覚、外受容感覚、固有感覚から感情概念が生成され主観的な情動が経験される原理を探求する。4)身体症状症を内受容感覚の不全と捉え、その特性を1)、2)、3)と同様な計算論モデルと実験により検討する。 2022年度の研究成果:1.内受容感覚・意思決定・核心感情の機能的な関連とその時系列的な動作を実証的に検討するための実験課題(確率学習課題)と、そこでの行動を表現する強化学習モデルを構築した(名古屋大学)。2.心拍と同時に音が鳴ったか、遅れて鳴ったかを答える心拍検出課題を改変して、内受容感覚を操作する実験課題を構築した(産業技術総合研究所・名古屋大学)。3.外受容感覚・固有感覚・言語を基に外的環境に関する概念を生成する計算論モデルに内受容感覚を組み込むことで、情動の概念が形成される過程を表現するモデルを構築した(大阪大学)。4.身体症状症の患者と健常者の内受容感覚・感情・意思決定を比較検討するための研究計画を策定した。この研究計画への承認を得るために、倫理委員学に審査を依頼した(京都府立医科大学)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.内受容感覚・感情・意思決定のメカニズムを検討するための実験課題と計算論モデルの開発、2.内受容感覚の実験的操作方法の開発、3.内受容感覚・感情・意思決定の関連に関するロボティクス・人工知能の観点からの構成論的な計算論モデルの開発、がいずれも順調に進展し、研究期間前半での目標をおおむねクリアすることができた。 ただし、身体症状症患者を対象にした臨床的研究については、新型コロナウイルス感染症への対策のため制約がまだ多く、実現に至っていない。しかしながらこの件についても健常者を対象にした予備実験を繰り返し、研究計画を策定することができた。さらに、京都府立医科大学に脳波や自律神経系を同時測定する装置を導入し、名古屋大学、産業技術総合研究所と同じ研究環境で臨床的研究を行える準備が整った。これにより、2023年度以降には、患者を対象とした研究を開始できると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
1.内受容感覚・感情・意思決定のメカニズムを解明するための実験研究を開始する。まず、内受容感覚の正確さの個人差をスクリーニングし、正確さ高群と低群でデータ収集を行い、計算論モデルにより各変数間の関連を探求する。2.2022年度までに開発した方法で内受容感覚の実験的操作を行い、それに伴う感情と意思決定の変化を検討し、そのメカニズムを計算論モデルにより説明することを試みる。3.2022年度までに計算論モデルによるシミュレーションで得た知見を拡張するために、センサロイドを用いてヒトを対象とした実験研究を行い、その結果をシミュレーション結果と比較検討する。4.身体症状症の患者と、年齢・性別等をマッチングした健常者を対象とした実験的研究を開始する。2023年度には各群20名程度のデータを収集することを目標とする。
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