研究課題/領域番号 |
21H04422
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
積山 薫 京都大学, 総合生存学館, 研究員 (70216539)
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研究分担者 |
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30347463)
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (60399011)
水本 憲治 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90730218)
岡田 知久 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30321607)
豊島 彩 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (10779565)
高松 礼奈 愛知学院大学, 総合政策学部, 講師 (90867144)
山下 雅俊 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (50828928)
武藤 拓之 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (60867505)
曽雌 崇弘 目白大学, 外国語学部, 教授 (00381434)
阿部 修士 京都大学, 人と社会の未来研究院, 教授 (90507922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2021年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
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キーワード | オキシトシン / ウェルビーイング / 認知機能 / 軽度認知障害 / 早期逆境 / 睡眠の質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の疫学研究や神経内分泌学の知見から、「幸せホルモン」の分泌を促す社会的交流は、逆境によるウェルビーイング(心の健康・幸福とその神経生物学的基盤)へのリスクをはねかえすレジリエンスの源であり、ひいては認知機能にも影響すると考えられる。ウェルビーイングの阻害と認知機能低下との間には関連が報告されているが、因果関係や脳内機序はよくわかっていない。本研究ではこの点を明らかにするために、ウェルビーイングを向上させることが予測される社会的交流を含む活動での介入による認知機能の改善効果を、認知機能リスクのある早期逆境を体験した若者、および認知症予備群高齢者を対象に検討する。
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研究実績の概要 |
1)高齢者研究 認知機能低下リスクのある軽度認知障害高齢者へのダンス介入の効果を、生化学的、認知神経科学的、神経心理学的に調べるためのデータ収集プロトコルを実装した。開始当初の2022年度、コロナ禍の病院事情により、予定していた病院の外来で軽度認知障害と診断された患者を紹介してもらうことが困難となったため、地域にチラシを戸別配布して研究プロジェクトの説明会を2ヶ月に1回程度開催し、「もの忘れが気になる」方のうち選定基準に適合する方に参加を依頼した。参加者への介入前の事前検査ののち、ランダムに介入群と統制群に振り分け、介入群には3ヶ月計12回のダンス教室に通ってもらい、統制群には待機してもらった。介入後(統制群は待機後)に事後検査をおこない、事前検査のデータとの比較を両群でおこなうことで介入効果を調べるプロトコルである。昨年度の報告書作成時点までに第1期、第2期参加者の事後検査まで終了しており、今期は第3期、第4期のデータ収集をおこなった。予定では第4期まででサンプル数が目標に達するはずであったが、4カ月以上に及ぶ研究参加期間中に健康上の理由等で途中辞退する参加者が予想より多く、予定外の第5期の参加者募集と検査、介入を追加することとなった。第5期のすべてのフェーズの完了は2024年度に入るため、その後にデータの解析をおこなう予定である。 2)若者研究 生きづらさを抱える若者に睡眠困難が多く、またその背景に親の養育態度が関連する可能性に着目し、高校生を対象として、現在の睡眠の質および、過去から現在までの親の養育態度に関する質問紙を実施した。幼児期から学齢期の応答性の高い養育態度は、高校生の「睡眠の困難さ」と有意な負の相関を示した一方、幼児期から学齢期の統制的な養育態度は、高校生の「睡眠の困難さ」と有意な正の相関を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題開始当初にコロナ禍の事情で参加者を得て介入研究がスタートするまでの立ち上げに時間を要したことに加えて、高齢の参加者が健康上の理由等で本研究の4ヶ月程度の全プログラムへの参加継続が途中で難しくなるケースやデータ収集後に除外条件に抵触することが発覚するケースが予想よりも多かったため、必要なサンプル数確保に令和5年度中にわずかに届かなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに認知機能低下リスクのある高齢者への第1期から第4期までの介入研究データの収集を終えているので、今後は第5期のデータ収集を完了させ、データの解析、結果の論文化へと進む。なお、 もう1つの柱としていた生きづらさをもつ若者への介入研究については、コロナ禍の影響が想像以上に大きく児童養護施設などの協力が全く得られなかったため、可能な範囲の横断研究へと変更し、高校生を対象とした質問紙研究に切り替えた。
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