研究課題
基盤研究(A)
メタ認知は、自己像の把握に関わり、従来、認知心理学の重要テーマとして、注目されてきたが、その神経基盤を探る実証研究は、近年、始まったばかりである。現在、世界のいくつかのラボで、ヒト・動物を対象に、その解明に取り組んでいるが、これらは、独立かつ散発的に行われているのが現状である。本研究では、申請者が開発してきた実験系を発展させ、メタ認知とその逸脱機構を、統合的に理解することをめざす。
メタ認知の知見は、これまで、ヒトを対象にした研究結果に基づくことがほとんどで、動物のメタ認知の知見は、非常に限られたものであった。本研究では、霊長類のモデル動物であるマカクサルを対象に、非言語的に確信度を計測して、確信度と正答率の関係から、メタ認知を定量するという点から、出発するものである。本年度は、post-decision wageringという手法を用いて、マカクサルの確信度を、行動学的に測定できた。各試行で、確信度の高低と、decisionの正誤が得られるため、その組み合わせから、メタ認知の高低を推定する土台ができた。
2: おおむね順調に進展している
霊長類のメタ認知を、行動学的に定量できる基盤が整った。
メタ認知の時系列変化の解析をすすめる。
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