研究課題
基盤研究(A)
メタ認知は、自己像の把握に関わり、従来、認知心理学の重要テーマとして、注目されてきたが、その神経基盤を探る実証研究は、近年、始まったばかりである。現在、世界のいくつかのラボで、ヒト・動物を対象に、その解明に取り組んでいるが、これらは、独立かつ散発的に行われているのが現状である。本研究では、申請者が開発してきた実験系を発展させ、メタ認知とその逸脱機構を、統合的に理解することをめざす。
霊長類のメタ認知のメカニズムを明らかにするために、マカクサルにwagering課題を遂行してもらった。具体的には、感覚刺激を提示して、二者択一の意思決定をさせ、その正誤に対する報酬マトリックス操作をして、ハイリスク・ハイリターンのオプションと、ローリスク・ローリターンのオプションのどちらかを選択させた。感覚刺激が、曖昧であるときに、後者のオプションを選択する頻度が増えたことから、マカクの確信度が測定できたことがわかった。意思決定の心理測定関数との関係から、確信度と意思決定が、共通の認知過程を基盤としている点と、相違点が含まれていることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
実験が予定通り進んでいる。
実験の結果を、計算論的に検証する。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
iScience
巻: 26 号: 11 ページ: 108208-108208
10.1016/j.isci.2023.108208