研究課題/領域番号 |
21H04439
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 猛 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40613310)
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研究分担者 |
笹川 崇男 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (30332597)
平山 元昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (70761005)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 28,600千円 (直接経費: 22,000千円、間接経費: 6,600千円)
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キーワード | 光電子分光 / トポロジカル物性 / レーザー / トポロジカル量子物性 / 極限レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル絶縁体の発見に相まって, 物性科学の飛躍的進展につながる新奇トポロジカル量子相の開拓や、それを用いた機能性材料の発掘が世界中で競って行われている。その物性開拓の中で必須となっている実験手法が、物質のバンド構造を直接観察できる角度分解光電子分光である。一方、理論的に提案されつつも技術的要求の高さから、これまでその観測を阻んできたトポロジカル量子相がある。それが本研究で主題とする「高次トポロジカルエッジ状態」「ワイル磁性電子状態」「マヨラナ励起状態」である。本研究では、角度分解光電子分光の顕微測定によって実現される直接バンド観察から、上記の未解決トポロジカル量子相を解明する。
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研究実績の概要 |
新しく提案されるトポロジカル量子相では要求される実験条件が厳しさを増し、その観察には極限技術が必要となってきた。その代表例が「高次トポロジカルエッジ状態」「ワイル磁性電子状態」「マヨラナ励起状態」である。これらは応用利用への期待も大きいため、解明できるか否かが今後の物性物理学の発展を左右する。しかし、そのブレークスルーと成り得る直接バンド観察は極めてチャレンジングである。それを克服するため連続波発振レーザーを導入し、それと組み合わせた光電子分光装置のエネルギー・運動量分解能を確かめた。これらは装置開発を成功させる上で最重要となる項目であるが、計画通りの満足の行く性能が確かめられている。それを通じて整備された装置を用いて、様々な形態のトポロジカル状態を測定している。通常絶縁体、弱いトポロジカル絶縁体、高次トポロジカル物質など、1次元鎖の積層でトポロジカル相をデザインするこれまでの発展研究として、よりギャップサイズが大きく安定化を実現した新たなトポロジカル絶縁体の測定を行った。また、鉄系超伝導結晶の表面に新規スピン偏極状態を見出すなど、レーザー光電子分光の特徴となる高分解能測定を活かした実験を行った。磁気スキルミオン物質の電子構造においても一連の試料を用いた系統的な測定から、理論とも整合性の良い結果が得られている。ファンデルワールス結晶の剥離試料や、トポロジカル薄膜を組み込んだ材料による新規トポロジカル相の開拓研究を進めるためバキュームケースを活用した試料準備及び光電子分光実験も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連続波発振レーザーはスペースチャージ効果を無くすことができるため、集光しつつも高分解能測定を可能とする。連続波発振レーザーの導入が終わり、それを活用したビームラインの整備が着実に進んでいる。パルス性の強いレーザーとは異なり、連続波発振レーザーならではの超高分解能測定が可能となった。並行して、トポロジカル物性の開拓を進めており、鉄系超伝導のスピン偏極状態や、磁気スキルミオン物質の電子構造の解明など、本研究の目的達成に向けた装置開発および実験が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
整備された装置を用いて、去年度に引き続き、様々な形態のトポロジカルエッジ状態を測定する。特に、高次トポロジカル候補物質に於けるヒンジ電子構造の解明や、極低温で可能となるトポロジカル超伝導体のエッジ状態観測を行う。これらのトポロジカル相で発生するスピン流のパスは、結晶表面の構造的差異で変化し、理論的にも不確定性があるため、その解明には顕微分光による選別観察が求められる。また、顕微分光測定の強みを活かして、ファンデルワールス結晶の剥離試料や、トポロジカル薄膜を組み込んだ材料で発現が期待される新規のトポロジカル相を開拓する。近藤(代表)が装置開発及びARPES測定を行う。笹川(分担者)が有力候補物質の純良大型単結晶試料や薄膜試料の作成を行い、それらの検証及び解明を平山(分担者)による理論研究の協力のもと近藤(代表者)が直接バンド観察から行う。
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