研究課題/領域番号 |
21H04458
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
田中 謙治 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (50260047)
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研究分担者 |
瓜谷 章 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10213521)
中西 秀哉 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (10280596)
糟谷 直宏 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20390635)
吉田 麻衣子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂フュージョン科学技術研究所 先進プラズマ研究部, グループリーダー (20391261)
沼波 政倫 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (40397203)
仲田 資季 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (40709440)
笹尾 一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂フュージョン科学技術研究所 先進プラズマ研究部, 主幹技術員 (80897067)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,600千円 (直接経費: 32,000千円、間接経費: 9,600千円)
2024年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2023年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 磁場閉じ込めプラズマ / 乱流 / レーザー / 位相コントラストイメージング / 原型炉 / 核融合 / プラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
核融合原型炉との同等条件のプラズマは量研機構のJT-60SAで初めて達成される。本研究は先進的なレーザー計測を開発し、JT-60SAにおいて原型炉と同等条件下で乱流の挙動を計測し、それにより、原型炉における乱流が駆動するプラズマ閉じ込めの物理機構を明らかにすることを目指す。研究は乱流計測の開発とそれを用いたJT-60SAにおける物理実験からなる。乱流計測ではレーザーを用いた二次元位相コントラストイメージングを開発する。物理実験では原型炉と同等条件において、特に重要な電子加熱の実験に取り組む。閉じ込め特性および乱流の空間スペクトル構造の違いを実験から明らかにし、シミュレーションと比較する。
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研究実績の概要 |
本研究課題で乱流計測を予定しているJT-60SAではR3年に発生したコイルの絶縁破壊トラブルによりJT-60SAの運転スケジュールが大幅に遅れることとなったため、研究計画を立て直した。現在のところ、R7年度の後半に軽水素を用いた実験が行われる予定なので、R6年度までに計測システムの開発を完了し、当初R6年度に予定していた計測システムのJT-60SAへの設置をR7年度前半に行い、R7年度後半に実験データの取得を目指すことにした。 R3年度の研究で、計測に用いるレーザーの光源を当初予定していた波長1.55micronのYAGレーザーから、波長10.6micronのCO2レーザーに変更したため、検出器を冷却する液体窒素製造装置が必要となった。また、検出器はプラズマ計測用に3台、レーザーの光軸のフィードバック調整用に1台用いることにした。その結果、4台の検出器に液体窒素を供給する必要がある。また、実験期間中は実験室に入室できないため、液体窒素の製造供給を遠隔で無人運転し、液体窒素の残量に応じて自動供給する必要がある。R4年度は自動供給用のバルブシステムを開発し、既存の検出器2台を用いて自動供給のテストを行った。検出器デュワー内に滞留した冷たい窒素ガスが、配管内に氷を形成し、液体窒素が充填できなくなることが判明した。よって、冷たい窒素ガスが外部に流れるような流路を形成して対応することにした。 実験室内に検出器、および液体窒素製造装置を設置するため、これらの装置が重水素を用いた実験で発生する中性子、およびガンマ線により、破損、および誤動作を防ぐためのシールドを設置する必要がある。検出器、および液体窒素製造装置を設置する位置におけるJT-60SAが実験を終了するまでの、およそ15年間の中性子、ガンマ線の積算照射量を算出し、シールドの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
核融合科学研究所に設置している中性子とガンマ線のシールドを参考にして、1x0.6x0.6mのシールドボックスのモデルにおいて厚さ10cmのボロン添加ポリエチレンと厚さ1cmの鉛を用いたシールドによる中性子、ガンマ線の影響の評価を半導体素子について行った。その結果、実験開始後7年程度で中性子、およびガンマ線による損傷限界を超えることが分かった。JT-60SAで用いるシールドボックスは計算に用いたシールドボックスより体積で8倍程度大きく、使用するシールドの体積も大きくなるため、ここでのモデル計算は中性子、ガンマ線の照射量を過大評価している可能性がある。よって、今後、実際に用いるサイズでの計算を行い、必要であればポリエチレンおよび鉛シールドを厚くする必要があることが分かった。 JT-60SAで行う予定である物理実験の参照データとしてLHDでの実験に参加し、乱流データを取得し解析に取り組んだ。原型炉と同等の実験条件下では核融合反応により生成された高エネルギーヘリウムイオンと乱流の相関が重要である。LHDでは高エネルギーヘリウムイオンの代わりに外部から入射した加熱用の高エネルギー重水素ビームと乱流揺動の相互作用に関する実験データの解析に取り組んだ。その結果、高エネルギーイオンの入射量が大きくなると、ビーム入射直後に乱流揺動が過渡的に減少することを見出した。 乱流揺動の空間構造を高精度で検出する手法をドイツのマックスプランクプラズマ物理研究所のW-7X装置で取り組んだ。位相コントラストイメージングの信号を固定した30chの検出器と、ビームを分岐して時間的にスキャンする1chの検出器で同時計測した。両者の相関を計算することにより、実効的に30x30=900チャンネルに対応する二次元乱流計測のデータの取得に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
液体窒素自動供給装置は1台の連続自動運転は1カ月程度成功したが、JT-60SAで行う4台の検出器の自動運転のテストはまだ行っていない。R5年度は4台の検出器への液体窒素の自動供給運転の試験を行う予定である。3カ月程度の連続運転を目指す。 中性子、ガンマ線シールドについてはJT-60SAに設置するサイズでのシールド内での中性子、ガンマ線の減衰率を計算する。その後、計算結果に基づき中性子減衰用のボロン添加ポリエチレンシールドとガンマ線減衰用の鉛シールドの厚さを決定する。それに基づき、液体窒素製造装置と検出器のシールドボックスを設計製作する。 現在解析に取り組んでいるLHDにおける高エネルギーイオンと乱流揺動の相互作用については、解析を進め論文化することを目指す。 また、JT-60SAにおける物理実験計画策定のために、トカマクでの実験データの取得にも取り組む。英国のJET,およびスイス連邦工科大学のTCV装置での水素同位体効果による乱流駆動輸送の比較、および、電子加熱下での乱流揺動の比較実験解析に取り組む。特にTCVは本課題で計画しているシステムと類似した接線視野の位相コントラストイメージングが稼働する予定であり、同位体効果や、電子加熱下における乱流揺動の実験データの取得に取り組む。 W-7Xで実施した固定30chとスキャン1chの同時計測は、乱流が時間的定常状態において適用可能で、高空間分解な視線積分の二次元乱流揺動のデータを取得できる。二次元視線積分のデータを磁力線構造を利用することにより、局所的な乱流揺動の実験データを取得することが可能である。すでに6x8ch=48chの二次元計測はLHDで行っており、局所乱流の計測に成功している。今回、W-7Xで試した手法が48ch同時二次元計測をしのぐ局所分解能を取得できればJT-60SAに本手法を適用する。
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