研究課題/領域番号 |
21H04472
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高橋 覚 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特命助教 (40402432)
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研究分担者 |
中野 敏行 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50345849)
青木 茂樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80211689)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
2023年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2021年度: 19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
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キーワード | ガンマ線天文学 / マルチメッセンジャー天文学 / 原子核乾板 / 多段シフター / タイムスタンプ |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙ガンマ線観測は、宇宙線物理学、高エネルギー天体物理学、宇宙論、基礎物理と多岐にわたる波及効果をもたらす。また近年のニュートリノや重力波も併せたマルチメッセンジャー天文学において、ガンマ線は決定的に重要なメッセンジャーを担う。多段シフターによる時間情報を持つ革新的な原子核乾板検出器(時間分解原子核乾板検出器)を実現し、世界最高角度分解能、世界初偏光有感、世界最大口径面積での宇宙ガンマ線精密観測への展開を目指す。
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研究実績の概要 |
大面積、長時間、高時間分解能、低エネルギー閾値実現の鍵を握るローラー駆動型多段シフターを新たに考案し、開発をおこなってきた。これまで常温常圧下での動作試験をおこなってきた。ここから気球実験環境を模擬した低温低圧下での環境試験をおこなった。また小判エマルションフィルムを部分的に搭載した環境試験おこなった。そして全面にエマルションフィルムを搭載した総合的な環境試験をおこなった。もう一方で2~4号機についてあぶりだした不具合の改善を図った。そして常温常圧下での動作試験をおこない、低温低圧下での環境試験をおこなった。またこれら一連の環境試験の中で様々な試行錯誤、創意工夫、そして改良に改良を重ねることで環境試験の突破を達成した。また姿勢監視スターカメラについて計6台のフライトモデルを構築した(方位90度ごとに計3台×2セット)。また電源周りも含め気球実験全系を構築し、よりシンプルで確実な動作を追求した改良を施した。そして気球実験全系での動作試験をStep-by-Stepに繰り返しおこなった。また気球実験を模擬した総合的な環境試験をおこなった。また与圧容器ゴンドラへ全系を実装し、S-b-Sに繰り返し動作試験をおこなった。そして荷造りをおこない、海上便で気球実験拠点であるアリススプリングス(豪)に向けて発送した。もう一方で多段シフターに搭載するエマルションフィルムの製造をおこなった。自動飛跡読取装置を通した性能評価や、本番と同じエマルションフィルムパック(サイズや構成)および温度・期間を想定した長期特性試験や潜像退行試験をおこなった。そして本番エマルションフィルムについてリフレッシュ・調湿・真空パックを施した。その際の環境監視系は開発して品質管理を実現させた。また一部のエマルションフィルムをサンプリングして、性能評価をおこなった。そして専用開発梱包で、冷蔵航空便で現地に向けて発送した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ローラー駆動型多段シフターの環境試験を実施し、様々な試行錯誤、創意工夫、そして改良に改良を重ねることで開発の難所を突破した。またステップ・バイ・ステップで全系を繰り返し繰り返し動作確認にすることよって着実な準備を達成した。現地入りして最終準備をおこない、予定通り準備を完了させた。
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今後の研究の推進方策 |
気球実験を遂行し、ローラー駆動型多段シフターの実践投入を果たす。実験後エマルションフィルム、取得データを日本に返送する。エマルションフィルムを現像し、乾燥後にエマルションフィルムの表面析出銀をこすり取り、膨潤処理によって膜厚を調整する。そして自動飛跡読取装置でエマルションフィルムの飛跡を読み出し、データ処理・フライトデータ解析体制を構築していく。もう一方で姿勢監視スターカメラのデータ処理・フライトデータ解析を立ち上げ、フライト時の望遠鏡の姿勢を再構成していく。
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