研究課題/領域番号 |
21H04474
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
本間 謙輔 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (40304399)
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研究分担者 |
時田 茂樹 京都大学, 化学研究所, 教授 (20456825)
橋田 昌樹 東海大学, 総合科学技術研究所, 特任教授 (50291034)
金井 恒人 京都大学, 化学研究所, 特定研究員 (00442947)
井上 峻介 京都大学, 化学研究所, 助教 (40724711)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | アクシオン / 暗黒物質 / レーザー / レーザー誘導共鳴散乱 / 真空内四光波混合 / XENON1T / 高強度レーザー / 誘導共鳴散乱 |
研究開始時の研究の概要 |
暗黒物質となり得るアクシオンは自発的対称性の破れに伴う質量の軽いボゾンの一種である。XENON1T実験が反跳電子エネルギーの超過事象を報告し、太陽アクシオンによる説明を試みている。本研究は光とアクシオン的粒子(ALP)の結合に着眼し、XENON1Tが指摘する質量域のALPを直接生成かつ崩壊させて検証する。具体的には、2色から成る極短パルスレーザービームを真空中で衝突させるものであり、軽いALPを介した誘導共鳴散乱を模型に依らず実験室で探索できる。国内外の高強度レーザーを駆使して、2ビームによる準平行系散乱、および、3ビームによる対称入射角散乱によりXENON1Tが指摘する質量-結合域を重点的に検証する。
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研究実績の概要 |
暗黒物質となり得るアクシオンは自発的対称性の破れに伴う質量の軽いボゾンの一種である。XENON1T実験が反跳電子エネルギーの超過事象を報告し、太陽アクシオンによる説明を試みている。本研究は光とアクシオン的粒子(ALP)の結合に着眼し、XENON1Tが指摘する質量域のALPを直接生成かつ崩壊させて検証する。具体的には、2色から成る極短パルスレーザービームを真空中で衝突させるものであり、軽いALPを介した誘導共鳴散乱を模型に依らず実験室で探索できる。国内外の高強度レーザーを駆使して、2ビームによる準平行系散乱、および、3ビームによる対称入射角散乱によりXENON1Tが指摘する質量-結合域を重点的に検証するための準備を進めた。 京都大学化学研究所サイト:2ビームによる準平行系散乱による探索において、光学素子起因の背景光抑制のため2色光導入経路を変更する必要があった。そのため相互作用真空容器の上流にあるビーム転送用真空容器と相互作用真空容器の間に挿入する中間差動排気用の真空容器を製作する計画であったが、集光しながら転送するためのピンホール付きのフランジを内包する真空パーツを導入することにより、実質、差動排気の役割を果たす真空系が短期間に完成した。並行して、3ビームによる対称入射角散乱による走査的探索に向けた光学系設計と多ポートを有する真空容器の設計を進めると同時に、固定対称入射角散乱のためのレーザーパルス時間空間同期手法を確立した。 欧州連合ルーマニアELI-NPサイト:レーザーが設置された上流 からE4実験エリアへのビーム転送を診断・調整するための光学系および真空制御系を含む、探索系全体の調整、および、同探索系を用いたE4内電磁ノイズの時間構造を理解し、衝突するレーザーパルスの時間空間同期を担保する、原子起因の背景光の検出に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、3ビームによる対称入射角散乱による走査的探索に向けた光学系設計と多ポートを有する真空容器の設計を進めることのみを計画していた。しかし、出来るだけコンパクトな設計に至るために、本番の探索に必要となる様々なビーム診断を可能にする光学系の設計が必要となった。そのため、対称入射角散乱のためのレーザーパルス時間空間同期手法を、固定入射角の光学系を実際に組んで検証し、その結果を踏まえた現実味のある探索系の設計に至れた。その結果として、さらに固定角度の3ビーム衝突による初の探索結果となり得るデータを取得できたため。
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今後の研究の推進方策 |
京都大学化学研究所サイト:2ビームによる準平行系散乱による探索において、入射窓を透過しないビーム転送手法が確立したため、今後はビームの出力を1桁以上上げた探索を実施する。3ビームによる対称入射角散乱による走査的探索に向けた光学系設計がほぼ固まったため、真空容器内に収まる探索系のプロトタイプを実際に製作する。 欧州連合ルーマニアELI-NPサイト:予備的探索を実施する。
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