研究課題/領域番号 |
21H04500
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
稲場 肇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (70356492)
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研究分担者 |
青木 和光 国立天文台, TMTプロジェクト, 教授 (20321581)
泉浦 秀行 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (00211730)
臼田 知史 国立天文台, TMTプロジェクト, 教授 (10311177)
柏木 謙 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10509730)
大宮 正士 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (20624696)
新井 彰 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (30582457)
大久保 章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (30635800)
佐藤 文衛 東京工業大学, 理学院, 教授 (40397823)
三澤 透 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (60513447)
森谷 友由希 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (60722949)
西川 淳 国立天文台, TMTプロジェクト, 助教 (70280568)
田実 晃人 国立天文台, ハワイ観測所, 特任准教授 (70532539)
神戸 栄治 国立天文台, ハワイ観測所, 特任准教授 (80435510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,600千円 (直接経費: 32,000千円、間接経費: 9,600千円)
2024年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | レーザーコム / 光コム / 視線速度測定 / 高分散分光器 / ドップラー法 / 系外惑星探索 / エルビウム添加光ファイバー |
研究開始時の研究の概要 |
恒星の視線速度をこれまでより精密に測定することにより、恒星を周回する複数惑星系の軌道や質量を決定したり、地球に似た惑星を含む多様な惑星を検出したりできる可能性がある。そのためには前人未到の10 cm/s 以下の測定精度が必要であり、精度実現の鍵の一つとなるのは天体分光システムの波長標準である。本研究では、波長標準として既に世界最高の広帯域性を実現している我々のレーザーコムをさらに進化させ、国立天文台・すばる望遠鏡の高分散分光器HDSに搭載する。さらにレーザーコムの能力が最大限発揮できるような天体観測を行い、世界最高級の視線速度測定精度を目指す。
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研究実績の概要 |
本課題は、ドップラー法による視線速度測定を行い、地球に似た惑星を含む多様な惑星を検出することを目標にしている。測定精度向上のため、産総研独自のレーザーコム装置をハワイのすばる望遠鏡の高分散分光器HDSに搭載しての観測を目指している。2022年度は以下の研究実績を挙げた。 開発するレーザーコム本体について、稲場らを中心に、臼田ら国立天文台の分担研究者と議論を重ねてレーザーコム装置の仕様を決定し、装置開発のために必要な物品の調達を行った。具体的には、エルビウム添加光ファイバーを用いたファイバー型光コム装置とし、波長1550 nm帯、繰り返し周波数250 MHz ~ 300 MHzのモード同期ファイバーレーザーを光源とすることに決定した。また、光共振器は三段とし、最終的なモード間隔周波数は30 GHz程度とすることとした。一方、その作成に必要な物品として、モード同期ファイバーレーザーの繰り返し周波数を0.5 %ほど粗調できる可変光遅延装置、および繰り返し周波数の基準周波数を発生させる任意波形発生器、および励起レーザーなどの消耗品を調達し、2022年度以降の光コム装置製作に備えた。 すばる望遠鏡側の受入準備について、青木、田實を中心にHDSへのコム光入力の現状について確認し、必要な装置の改造について検討した。 国立天文台ハワイ観測所岡山分室に設置したレーザーコムについて、大宮、佐藤は今回作成するレーザーコムで修正すべき点について洗い出しを行った。また、泉浦はレーザーコムを用いた視線速度測定の高精度化のため、当該分室188 cm反射望遠鏡の高波長分解能分光器HIDES-Fの環境温度の安定性を改善し、年間を通し測定値の揺らぎ0.1 ℃以下を実現した。 さらに三澤は、視線速度測定の解析手法の高度化のため、クェーサー吸収線のフィッティングを精度よく行うコードを開発した(論文1件)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レーザーコムの仕様が決定し、2022年度、2023年度における本格的なレーザーコム装置製作に向けた準備ができたこと、高分散分光器HDSについての議論も一定の進捗が得られたこと、また岡山での運用も順調なことなどにより、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度、2023年度でレーザーコム装置を製作するとともにすばる望遠鏡の高分散分光器HDS側のレーザーコム受入準備を行う。2024年度にレーザーコム装置をハワイに輸送し、HDSに搭載する。2025年度はレーザーコムを用いた試験観測を行う。
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