研究課題/領域番号 |
21H04543
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 史人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90221051)
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研究分担者 |
杉浦 広峻 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10844805)
魚住 信之 東北大学, 工学研究科, 教授 (40223515)
丸山 央峰 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60377843)
金子 真 名城大学, 理工学部, 教授 (70224607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2023年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2022年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2021年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 超精密計測 / マイクロ流体チップ / ナノバイオ / 機械力学・制御 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロ流体チップとロボットシステムを統合し,光合成モデル細胞である藍藻に対して,外部刺激となるpLオーダーの微小液滴を,msオーダーの短時間で反応させる局所環境を構築し,これに応答する細胞特性の動的変化を単一細胞レベルで計測する.この計測系において,特定のイオン輸送体の遺伝子を欠損した遺伝子不活化株と正常株の比較を行い,特定のイオン輸送体の特性を調べる.オンチップでの局所環境状態の計測制御技術,単一細胞計測技術,動的力センシングシステム理論などを確立し,これらを活用することで,藍藻の外部刺激に対する動的応答特性を明らかにし,その仕組みを解明する.さらに,藍藻以外の単一細胞に拡張する.
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研究成果の概要 |
オンチップロボットとマイクロ流体チップから構成されるシステムを構築し,藍藻の生死判別に基づき,数ミリ秒オーダーの急激な浸透圧変化に対する細胞の大きさ変化から,水の浸透率を単一細胞レベルで計測した.また,数ミリ秒オーダーの急激な浸透圧変化に対する単一細胞の硬さを計測した.藍藻の生体膜で機能する輸送体の遺伝子の不活化株と正常株(野生株)に対して,動的な浸透圧変化の前後での大きさの変化と硬さを計測して比較した.オンチップ局所環境制御による単一細胞の外部刺激応答特性を評価するための工学的技術基盤を確立するとともに,藍藻の浸透圧変化に適応する機能に関わる特性を評価し,機械的特性の知見を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞を単一レベルで評価することは困難であり,その機能の多くは未解明なままである.本研究は,オンチップ局所環境制御による単一細胞の外部刺激応答特性を評価するための工学的技術基盤を確立するとともに,藍藻の浸透圧変化に適応する機能に関わる特性を評価し,機械的特性の知見を得た.細胞には数多くの種類のイオン輸送体が存在し,それぞれの役割は異なる.イオン輸送体の役割が徐々に解明され,人為的にイオン輸送体の発現数を調整することで,環境に適応する藍藻をつくり,制御管理することが可能である.これによって創生される藍藻や制御技術は,太陽光を利用した再生エネルギー生産,物質生産,環境保全に結び付くと期待できる.
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