研究課題/領域番号 |
21H04562
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
森山 貴広 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50643326)
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研究分担者 |
中村 浩次 三重大学, 工学研究科, 教授 (70281847)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
43,160千円 (直接経費: 33,200千円、間接経費: 9,960千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2021年度: 25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
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キーワード | テラヘルツ / スピントロ二クス / 反強磁性体 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
これまでスピントロニクスにおける主材料は専ら強磁性体であり、反強磁性体は様々な固定概念から応用・基礎研究がほとんど行われてこなかった材料系であった。しかしながら、近年の反強磁性体を主体としたスピン輸送現象等に関する発見・研究成果により、「反強磁性体スピントロニクス」の研究が国内外で活発化している。本研究では、これらをさらに展開し、反強磁性体が持つ超高周波(THz帯域)の磁気共鳴を積極的に利用した「反強磁性体テラヘルツスピントロニクス」の学理を構築し、スピントロニクスの動作原理を利用した次世代テラヘルツ基盤技術の創成を目的とする。本研究は、超高速通信・情報処理やセンシング技術等に関わるものである。
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研究実績の概要 |
本課題では、反強磁性体が持つ超高周波(THz帯域)の磁気共鳴周波数を積極的に利用した「反強磁性体テラヘルツスピントロニクス」の学理を構築し、スピントロニクスの動作原理を利用した次世代テラヘルツ基盤技術を創成することを目的とする。 反強磁性体のテラヘルツ応答性の評価は古くから行われているが、そのほとんどがバルク結晶を対象としたもので、薄膜を対象とした評価はほとんど行われていない。テラヘルツで動作する反強磁性体を用いたスピンデバイスは、近年発展が目覚ましい情報通信処理分野や超高速エレクトロニクスにおける次世代デバイスとして期待されており、デバイス応用に資する薄膜材料のテラヘルツ特性評価が急務である。 本年度は、ジャイロトロンを用いて、磁性薄膜内で起こる整流効果を利用して、サブテラヘルツ帯における磁性薄膜の磁化ダイナミクスを電圧信号として読み出すことに成功した。本測定手法は、これまで困難とされていた磁性薄膜のテラヘルツ評価技術の先駆けとなるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、反強磁性薄膜における磁化ダイナミクスの評価手法を確立した。今年度得られた成果により、反強磁性体のTHz磁化ダイナミクスと、反強磁性体の表面や界面で起こる遍歴スピンの蓄積の相互作用に起因した様々な現象(スピンポンピング効果やスピントルク効果など)の調査が可能になった。研究は計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度確立した反強磁性薄膜における磁化ダイナミクスの評価手法を利用して、スピンポンピング効果による磁化ダイナミクスから生じるスピン流の検出や、スピントルク効果による磁化ダイナミクスの変調などの実験を進めて行く。これにより「反強磁性体テラヘルツスピントロニクス」の根幹である、遍歴スピンと磁化ダイナミクスの相互作用の詳細を明らかにする。
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