研究課題/領域番号 |
21H04563
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木本 恒暢 京都大学, 工学研究科, 教授 (80225078)
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研究分担者 |
金子 光顕 京都大学, 工学研究科, 助教 (60842896)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
42,900千円 (直接経費: 33,000千円、間接経費: 9,900千円)
2021年度: 21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
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キーワード | 炭化珪素 / MOS界面 / 酸化膜 / MOSFET / チャネル移動度 |
研究開始時の研究の概要 |
SiC(炭化珪素)は優れた物性を有する広禁制帯幅半導体であり、現行のSiの材料限界を桁違いに打破する高耐電圧・低損失トランジスタや、厳環境で安定に動作する集積回路を実現できる。本研究では、革新的手法により形成した高品質SiC MOS界面を用いて、高性能トランジスタの実証とチャネルにおけるキャリア輸送のモデル化を行う。また、将来の耐環境集積回路の礎となるSiCを用いた相補型MOS(CMOS)素子の作製と高温動作の見極めを行い、SiC半導体を用いたロバストエレクトロニクスの開拓に資する。
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研究実績の概要 |
SiC(炭化珪素)は優れた物性を有する広禁制帯幅半導体であり、現行のSi半導体の材料限界を桁違いに打破する高耐電圧・低損失トランジスタや、厳環境で安定に動作する集積回路を実現できる。本研究では、代表者が提案する独自手法により形成したSiC MOS界面を用いて、高性能トランジスタの実証を目指した。得られた具体的な成果は以下の通りである。 (1) SiCの酸化を徹底的に排除して形成した高品質SiC/SiO2界面(MOS界面)の伝導帯端近傍の界面準位密度を独自の容量-電圧(C-V)特性解析法により精密に評価した。この結果、新規手法では、従来技術(熱酸化とNOガス処理)に比べて界面準位密度を1/2~1/5に低減できていることを明らかにした。また、この高品質MOS界面を得るためには、酸化膜形成前に高温(1300℃)での水素ガス処理が有効であることを見出した。 (2) 上記の独自手法により形成したゲート酸化膜を有するSiCのnチャネルMOSFET(MOS界面を利用したトランジスタ)を作製し、特性を評価した。作製したMOSFETは良好な特性を示し、従来手法で作製したSiC MOSFETに比べて2倍という高いチャネル移動度(80 cm2/Vs)を得た。また、新規手法で作製したMOSFETのサブスレッショルド特性は非常に急峻であり、MOS界面における低い界面準位密度を反映している。 (3) 新規手法により形成した酸化膜(SiO2膜)の絶縁性を評価したところ、酸化膜電界が約5 MV/cmまではほとんどリーク電流が観測されず、11 MV/cm以上という非常に高い絶縁破壊電界を得た。このように、独自手法により形成したSiC MOS構造は非常に高品質であり、将来のSiC MOSデバイスの高性能化に大きく貢献すると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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