研究課題/領域番号 |
21H04568
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
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研究分担者 |
山田 俊郎 北海学園大学, 工学部, 教授 (30335103)
山村 寛 中央大学, 理工学部, 教授 (40515334)
黒田 恭平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50783213)
齋藤 伸吾 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60343018)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
39,780千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 9,180千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
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キーワード | センサ / DNAアプタマー / 小規模水道 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新しい水質センシング技術で安全性を確保する、塩素消毒とRO膜のみのシンプルな過疎地域用の小規模水道システムを提案する。病原体は医学分野でバイオマーカーの検出に活用されているDNAアプタマーで分析する。本水道システムは過疎地域のみならず、災害発生時の飲料水の安全性確保、途上国の井戸水の水質管理にも適用できる。新しい病原体センシング技術は人間や家畜の感染症の診断にも適用できる。
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研究実績の概要 |
廃水処理の安定化や維持管理には処理の好不調に関与する微生物群のモニタリング技術が必要である。しかし、培養法やqPCR法といった今日の測定法では、測定時間やコストの問題から日常的に微生物群の評価をすることは極めて難しい。 今年度はポリエチレンテレフタレート(PET)原料製造廃水を処理する上昇流嫌気性スラッジブランケット(UASB)反応器保持汚泥に存在するメタン生成アーキアMethanothrix属とそれに寄生するCandidatus Yanofskybacteriaを対象として本手法の適用可能性を評価した。Methanothrix属はメタン発酵反応器において最終中間産物の酢酸をメタンへ変換するアーキアであり、この寄生関係は廃水処理の成否に関わる可能性がある。そのため、我々は金ナノ粒子プローブ法を用いてCa. YanofskybacteriaとMethanothrixの定量可能性を評価した。 定量の結果,純菌のDNA抽出物と汚泥サンプルでは10の5乗 copies/μLから高濃度側にかけて濃度依存性がみられたのに対し、longとshortのPCR産物では10の9乗 copies/μLから高濃度側にかけて濃度依存性がみられた。このとこから、金ナノ粒子プローブの凝集には長鎖ゲノムの高次構造やサンプル中の夾雑物が影響していることが考えられた。 BSAの添加前と比較すると添加後では検出下限が2桁ほど下がった。このことから、BSA溶液を添加し金ナノ粒子プローブの凝集状態を制御することで高感度化できることが示唆された。 さらに、カーブフィッティングを用いて得られた吸光スペクトルを分解することで、分析の高感度化を目指した。係数hとqPCRで測定したDNA濃度の相関を解析した。10の7乗 copies/μL以下の領域において係数hとDNA濃度の間に正の相関が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
嫌気性菌を検出可能な技術を確立したので、研究は順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
①開発済みのセンシング技術で長期水質モニタリングを行う。:センシング技術を使って、既存の浄水システムの地下水と飲料水の水質をモニタリングする。実験は北海道大学構内の井戸(3地点)とA社所有の井戸(10地点)で行う。モニタリングは平日に一日一回、現場で4年間行う。サンプルを各大学に送付し分析する。結果から井戸ごとに特有の水質変動を明らかにする。汚染物質が検出された場合その原因(近隣からの汚染、地震、不法投棄など)を明らかにする。達成目標は専門知識を持たない人が水質を測定し、データをスマートフォンで大学の研究室に送れることとする。 ②新しいセンシング技術を開発する。:病原体用DNAアプタマーを開発する。10の10乗種類程度のDNAを人工的に合成する。検出したい病原体と混合する。病原体と結合したDNAのみ回収する。これをPCRで増幅する。このサイクルを10回程度繰り返し、特定の病原体にのみ結合するDNA(すなわちDNAアプタマー)を選別する。検出感度を高めるためセンシング技術の濃縮法を適用する。達成目標は①濃縮時間30分、分析時間10分、②妨害物質による影響10%以内、③検出限界値1個/mL(濃縮前)、④専門知識を持たない人でも分析できることとする。 ③開発済みおよび新しいセンシング技術をベンチスケールの浄水装置に適用し水質モニタリングを行う:計13地点の井戸の内の3地点にベンチスケールの塩素処理装置とRO膜処理装置を設置し運転する。地下水と飲料水中の各種水質項目を上述のセンシング技術で、マイクロプレートリーダーを用いて一日一回モニタリングする。3年目からは新しいセンシング技術でもモニタリングする。モニタリングは知識を持たない各大学の学生とA社の社員が行う。得られたデータは毎日研究代表者と分担者に送られ、センシング技術開発にフィードバックされる。
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