研究課題/領域番号 |
21H04581
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹内 徹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80361757)
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研究分担者 |
西村 康志郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00343161)
寺澤 友貴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (10848245)
熊谷 知彦 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70376945)
山下 哲郎 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (80458992)
藤原 淳 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 契約研究員 (80817049)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,170千円 (直接経費: 30,900千円、間接経費: 9,270千円)
2024年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2023年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 防災減災 / 空間構造 / 損傷制御 / 振動台実験 / 人工知能 / 防災 / 応答制御 / 免震構造 / 制震構造 / 避難所 / 震動台実験 / 大規模ホール / 耐震設計 / 最適化 / AI / 大規模空間構造 / 体育館 / 継続使用 / 防災工学 / 大空間構造 / 制振構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では大地震時に避難所として使用される大規模ホールや体育館の被害を最小化する手段として、申請者らが推進してきた最新の制振・免震技術の応用による空間構造の損傷制御効果を実大に近い架構の振動台実験によって実証・分析する。さらに得られた知見を近年のデザイン・コンピューティングの発展に伴う最適設計アルゴリズムや人工知能と組み合わせることにより、空間構造に代表される定型の振動特性を持たない構造形式の応答性状を最適化し、二次部材を含む被害を最小限に抑制し得る大規模空間構造物の損傷制御技術の高度化を試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度予算で製作した体育館縮小架構モデルを用いて、兵庫県三木市にある世界最大の震動台試験施設「E-ディフェンス」にて防災科学技術研究所、明治大学、工学院大学と共同でと体育館架構の損傷制御実験を実施した。具体的には実大の1/4スケールの体育館架構に制振ブレース、屋根応答制御用の制振装置(TMD)を設置し、①ライズのある体育館屋根架構の地震応答特性の確認、②制振ブレースならびにTMDによる屋根応答低減効果の確認を行った後、③制振部材、TMDを固定した状態で入力地震動を段階的に引上げ、屋根架構が崩壊するまでの性状確認を行った。 ①の実験に関しては従来の研究で指摘されていた水平地震入力下の屋根部の鉛直応答特性が確認されたほか、②の実験では制振部材、TMDそれぞれに関し、有効な地震応答低減効果が確認された。また、③の崩壊実験に関しては、我が国で初めて空間構造の崩壊に至る過程が実験的に明らかになり、その余裕度と併せて貴重な知見が得られた。 実験の様子は一般公開され、約50名の見学者が訪れた、また、日本およびドイツのテレビ局が取材に訪れ、日本の耐震・免震・制振技術の紹介とともに放映された。 また、最適化理論やAIを用いた任意形状の空間構造に関する最適耐震設計フローの構築については最適設計エンジンとRhinosrousによる形態創生プロセスを組み合わせたワークフローシステムを構築し、得られた知見を国際学術誌に発表した。 座屈・破断部材の画像解析技術についても鋼材要素に関する繰り返し疲労実験を対象に確立し、日本建築学会構造系論文集に投稿、採択された。 空間構造用の長尺BRB実験に関しては、試験を行う反力壁・反力床が2023年10月に竣工したことに伴い、最終年度の2024年度の実験に向けて試験体設計・治具設計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度までに大型の空間構造の大型震動台実験、任意形状架構の最適制振設計フローの構築、座屈・破断部材の画像解析技術などの目標をすべて達成し、予定通りの成果が得られていると評価している。体育館の震動台実験に関しては国内外のメディアに注目されるなど、予想以上の反響を得られたと感じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度で大型の空間構造の大型震動台実験に加え、任意形状架構の最適制振設計フローの構築、座屈・破断部材の画像解析技術などの目標を成功させたため、最終年度の2024に関しては、予定通り下記の研究を実施する。 ①2023年度の震動台実験で得られた成果の学術論文誌への投稿および発表、日本建築学会ラチスシェル屋根構造設計指針、IASS指針等への反映。 ②任意形状架構の対話型最適制振設計フローの構築 ③空間構造向け長尺BRB実験、木鋼BRB実験の実施、世界地震工学会議WCEEにおける発表、および日本免震構造協会BRB設計指針への反映。
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