研究課題/領域番号 |
21H04587
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
姫野 武洋 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60376506)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2021年度: 18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
|
キーワード | 極低温流体 / 相変化 / ロケット / 液体水素 / 自由表面流 / 液体ロケット / 極低温 / スロッシング / 管内沸騰 / 気液二相流 / 推進薬マネジメント / 軌道間輸送 / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
数週間以上の長期間運用が可能な極低温再使用型ロケットや軌道上推進薬再補給設備などから成る軌道間輸送システムの設計と実現のために、ロケット推進系や再補給設備の内部(タンク・供給配管・ターボポンプ)における、沸騰凝縮を伴う自由表面流を対象とし、地上とは異なる様々な加速度環境における熱流動現象の解明と予測技術の確立を目指す。 具体的には、(1)極低温スロッシング実験、(2)大型液体水素タンクでの減圧沸騰実験、(3)低重力環境における沸騰二相流実験、ならびに、(4)自由表面流数値解法の構築に取り組む。研究成果を統合し、液体水素運搬船や水素燃料航空機も含め、各種機器の設計基盤技術として提案する。
|
研究実績の概要 |
極低温スロッシング実験については、回転加振機による実験を継続し、液面揺動に伴う圧力変化データを取得した。液相温度分布をパラメーターとした試験に加え、タンク内艤装品を模擬した供試体を新たに制作し、圧力降下に及ぼす固体伝熱の因子を抽出した。 大型液体水素タンク減圧実験については、本研究で構築した遠隔監視システムも活用し、能代ロケット実験場の既設30立方メートルタンクを使用した減圧沸騰実験を継続した。 沸騰二相流実験については、透明沸騰電熱管を用いた実験装置を拡張し、並列流路における分流特性の取得を行い、体積流量や気液質量流量比(クオリティ)に応じた管路圧損の変化を効率的に取得できる手法を考案した。管路圧損を予測できる縮退モデルの検討も進めた。 自由表面流の数値解析については、液中翼周りのキャビテーションの数値解析を継続し、シートキャビテーションやスーパーキャビテーションを呈する広範なキャビテーション数条件について、キャビテーションブレークダウンを銃を宇手法に比較して定量的により精度良く予測できるようになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験については、スロッシング、管内沸騰、落下塔の3種類の実験手法がさらに改良され、研究目的である相変化二相流、ならびに、表面張力駆動流を可視化観察する実験環境が整った。スロッシング実験の加振機については、さらに大きな角速度を与えられるような装置改修の設計を進めたことから、順調に進展していると判断している。 数値解析についても、自由表面における相変化モデルに加え、サブグリッドスケールでの気泡群成長モデルを組み合わせることで、計算負荷を抑えつつ、複雑なキャビテーション流を模擬できることが示された。
|
今後の研究の推進方策 |
構築した実験環境をさらに改良するとともに、回転と並進を含むより広範な加速度環境を実験室で実現できるようにする。数値解析は引き続き、獲得された実験データも対象にしつつ、相変化モデルの改良を進める。
|