研究課題/領域番号 |
21H04590
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
正信 聡太郎 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 特別研究主幹 (80373413)
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研究分担者 |
村井 祐一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80273001)
高野 慧 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (90636820)
山本 マルシオ 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (10608631)
田坂 裕司 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00419946)
PARK HYUNJIN 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00793671)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,040千円 (直接経費: 30,800千円、間接経費: 9,240千円)
2024年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2021年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 海洋鉱物資源開発 / フローアシュアランス分析 / 超音波計測技術 / 圧力損失最小化技術 / 水中線状構造物挙動 / 超音波計測 / 圧力損失最小化 / 水中線状構造物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では超音波計測技術を独自開発し、傾斜管を用いた移送実験を通じて、管内を脈動する固液二相流の流動状況と圧力損失の周波数スペクトル空間での因果関係を解明してフローアシュアランス(流路保全)分析に適用可能な圧力損失推定手法を構築する。また、圧力損失を低減可能な制御デバイスを考案し、実験を通じて本デバイスの効果の範囲を明らかにする。さらに、内部流との相互作用が分析できる水中線状構造物の応答予測手法を構築して、縮尺模型を用いた水槽実験で検証する。 なお研究の遂行にあたっては、外部研究推進委員会を開催し、研究進捗における問題点の提起や実装性・学術的価値の評価に対する助言を受けることとする。
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研究実績の概要 |
海洋鉱物資源開発で技術的な中核を担う揚鉱ユニットの設計・運用に必須となるフローアシュアランス分析技術を確立するために、本研究では、超音波計測技術を独自開発し、管内を脈動する固液二相流の流動状況と圧力損失の周波数スペクトル空間での因果関係を解明してフローアシュアランス分析に適用可能な圧力損失推定手法を構築する。さらに、圧力損失を低減可能な制御デバイスを開発するとともに、内部流との相互作用が考慮した水中線状構造物の応答予測手法を構築する。
当該年度は次の課題を実施した。【圧力損失推定技術】口径25A及び80Aの円管を鉛直から水平まで傾斜させた固液二相流の移送実験を実施した。脈動周期における圧力損失推定プログラムを開発して、口径25Aに関する実験結果との比較を通じて当該プログラムの有効性を確認した。さらに、傾斜管を含む直管内の脈動流中における時間領域圧力損失推定プログラムを開発した。超音波計測では、粒子から散乱するエコーの直接波形解析により粒子の位置と粒子サイズを推定する方法を開発した。ドップラーシフト周波数から管内の粒子速度分布及びその脈動影響を測定するとともに、平均速度分布及び脈動周波数を計測した。また高濃度粒子群の実効粘度を超音波スピニングレオメトリで測定する方法を開発した。【圧力損失最小化技術】傾斜管では粒子が上下に層状化した数密度分布を呈し、これに伴って粒子速度分布が管軸方向にゆっくりした空間遷移を持つことが判明した。このことから圧力損失が粒子運動量差と連動して局所的に分布を持つことが明らかとなった。【水中線状構造物の応答予測手法】有限要素法に基づく応答予測手法の改良に向けた検討を行うとともに、ランプドマス法に基づく応答予測手法の基本アルゴリズムを開発した。
さらに外部有識者を招いたワークショップを開催し、研究進捗における問題点の提起や今後の研究計画に対する助言を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【圧力損失推定技術】では、当初計画をすべて遂行したのに加え、2023年度以降に予定していた圧力損失推定手法の構築を前倒しで実施しており、当初の計画以上の進展が見られた。 また超音波計測については、口径80Aの管路のデータは超音波信号を記録したがデータ解析に時間を要し、断片的となっている。2023年度にデータ解析を進める予定とする。その他は予定どおり進めることができた。 一方で、【水中線状構造物の応答予測手法】については、2021年度に開発した有限要素法に基づく水中線状構造物の応答予測プログラムの一部が大変形問題に対応していないことが判明したため、改良に向けた検討を行うなど、当初の計画より遅れている。ただし、有限要素法に比べて計算コストの低いランプドマス法に基づく応答予測手法の基本アルゴリズムを開発することによって、2023年度以降の研究の遂行に支障が出ない対策を取った。
以上を踏まえ、研究全体として「概ね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
【圧力損失推定技術】では、2023年度は口径50Aのベンド管を用いた固液二相流の移送実験を実施して、ベンド部における流動様式遷移線図を作成する。また、圧力損失と粒子濃度の広帯域スペクトル特性に関する調査を実施するとともに、過年度に実施した実験結果との比較を通じて、直管を対象とした圧力損失推定手法を完成する。さらに、2024年度に予定している移送管形状を模擬した固定配管を用いた固液二相流の移送実験計画を立案するとともに、試計測を行って実験実施上の課題を抽出する。 【圧力損失最小化技術】では、粒子プラグを流動化できる微粒子法を管内固液二相流に適用し、圧力損失低減効果の範囲を調査する。 【水中線状構造物の応答予測手法】については、移送管形状に対応可能な水中線状構造物の挙動解析プログラムを開発する。
さらにワークショップを毎年開催し、外部有識者から、研究進捗における問題点の提起や実装性・学術的価値の評価に対する助言を受け、成果の最大化を図る。
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