研究課題/領域番号 |
21H04614
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷山 智康 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (10302960)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
43,680千円 (直接経費: 33,600千円、間接経費: 10,080千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2021年度: 28,990千円 (直接経費: 22,300千円、間接経費: 6,690千円)
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キーワード | 磁性薄膜 / 磁気ダイナミクス / 磁性 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
磁性体のスピンダイナミクスに関する学理構築とその制御技術の開発は、あらゆるスピントロニクスデバイスの高速化、低消費電力化、高機能化、さらにはマグノニクス技術の高度化に向けた喫緊の課題である。本研究では、ナノ磁性体におけるトポロジカル構造(位相欠陥・位相テクスチャー)が誘発するスピンダンピングの物理機構の全容解明を目的とする。さらに、トポロジカル構造を制御することで、デバイス中でスピンダンピングの外部制御を可能にする革新的機能の創出までを狙う。
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研究成果の概要 |
広義のトポロジカルな磁気状態を形成する面内強磁性薄膜/非磁性薄膜/垂直磁化強磁性多層膜ヘテロ構造、面内強磁性薄膜/非磁性薄膜/垂直磁化強磁性多層膜ドットヘテロ構造、強磁性合金薄膜、強磁性酸化物薄膜など種々のヘテロ構造に対して、磁気ダンピング特性を網羅的に評価した。その結果、全てのヘテロ構造において特異な負の見かけの磁気ダンピング定数が観測された。この特異な負のダンピング定数は、個々のヘテロ構造系に依存せず、磁気的な不均一性がわずかに現れる磁気状態において顕著となる現象であることを突き止めた。この結果は、磁気的不均一性を制御することが磁気ダンピングを制御する上で極めて重要であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強磁性体の磁気ダンピング定数は、スピントランスファートルクを利用した磁化スイッチング機構に基づいて動作する磁気メモリの消費電力を決定づける因子である。したがって、強磁性金属における磁気ダンピングの要因を解明することは、低消費電力スピントロニクスデバイスを設計する上で特に重要である。本研究では、個々のヘテロ構造系に依存せず、特異な負の見かけの磁気ダンピング定数が磁気的な不均一性と関連づけられることを見出されており、従来にない新たな知見として学術的に重要な意義をもつ。また、スピントロニクスデバイスを設計する上でも重要な知見であり、産業的・社会的にも重要な意義をもつ。
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