研究課題/領域番号 |
21H04641
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
岡本 裕巳 分子科学研究所, メゾスコピック計測研究センター, 教授 (20185482)
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研究分担者 |
小西 邦昭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60543072)
成島 哲也 分子科学研究所, メゾスコピック計測研究センター, 特別訪問研究員 (50447314)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2024年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2021年度: 18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
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キーワード | 円偏光二色性 / 顕微イメージング / 遠紫外 / フォトニック結晶 / キラリティ |
研究開始時の研究の概要 |
代表者らが開発した独自の新たな円偏光変調手法による,先端的な高感度・高確度円偏光二色性(CD)顕微イメージングに対し,検出感度のさらなる向上,観察波長域の紫外域への拡大,ライブイメージングの実現等を目指した研究を行う。これにより高度化・拡張・汎用化したCD顕微イメージングの手法を,キラルな微結晶や分子会合体などの光学特性解明,掌性同定などに適用し,キラル光学イメージングによってのみ可能な新手法を開拓・確立する。またライブイメージングにより,キラル構造の生成プロセスの観察手法,生物試料への適用により,キラル高次構造を持つ分子種の分布・動態観測を目指した手法開発を行う。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,高繰り返しレーザーを用いた高速円偏光変調方式によるCD顕微イメージングの有効性の確認実験を行った。100MHzレベルで左円偏光と右円偏光が離散的に交互に射出する高速円偏光変調光源を得て,それを顕微光学系に導入し,試料を操作して顕微CDイメージを得る実験を,いくつかのキラル構造ナノ・マイクロ物質について実施した。ねじれ構造を有する生体分子集合体については,蛍光性色素を特異的に結合させた試料を作成し,発光励起による円偏光二色性の計測を行い,円偏光二色性イメージの取得に成功した。 昨年開発した,深紫外領域で波長可変なフェムト秒レーザーパルスの繰り返し周波数と円偏光変調を与える光弾性変調器の変調周波数を同期させることによる,円偏光二色性スペクトル計測システムの高度化を進めた。高精度デジタルロックインアンプを用いることによって,より高い精度での測定を実現し,さらに定量的な楕円率角の計測を行うことに成功した。また、研究代表者の岡本の研究室で所有していた円偏光二色性分散計を分担者の小西の所属する東京大学に移設し,東京大学においても試料の円偏光二色性スペクトルを迅速に測定可能な環境を整備した。 近接場領域の高空間分解能で円偏光二色性イメージングを実施する新たなアプローチとして,原子間力顕微鏡を基盤とした光誘起力顕微鏡を用い,励起光に左右円偏光を導入することで円偏光二色性イメージを得る試みを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高速円偏光変調光源による円偏光二色性イメージング手法の展開は順調に進んでおり,キラル生体分子集合体の計測も推進した。紫外域での円偏光二色性の計測手法の開発も,ゴールに向けた着実な進展があった。光誘起力顕微鏡による円偏光二色性イメージングという新たなアプローチにも成功しつつあり,この点は想定以上の進展と言える。一方で,所内分担者1名の転出があり,分子科学研究所で特別訪問研究員の身分で活動は続けているものの以前のペースは保てていない。また本研究に専念する博士研究員の公募を行い,秋に1名を採用することができたが,諸事情により年度末前に辞職することになり,後任の採用が未だできていない。これらの点では計画推進が想定通りに進んでいるとは言えない面があると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
計画に従い,光学チョッパの改良,試料スキャン方法の改良,反射型配置法の試験の推進,発光励起円偏光二色性検出法の開発推進,測定波長域の拡張等を引き続き行う。同時に,様々なキラル構造ナノ・マイクロ物質の円偏光二色性イメージング計測を,共同研究を含めて行い,装置のポテンシャルを検証する。光誘起顕微鏡による円偏光二色性イメージングについても,装置の高感度化・高精度化を推進する。 深紫外域の測定については,同一のサンプルに対して,本年度に構築した円二色性計測システムの測定結果と,円二色性分散計での測定結果を比較し,円二色性の大きさの定量的な測定が実現できていることを実証する。また,深紫外円二色性信号イメージングの実現に向けて、局所領域の円二色性信号を計測可能な顕微分光システムの構築を,引き続き進める。 また,できるだけ速やかに,本研究に専念する博士研究員を採用したい。
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