研究課題/領域番号 |
21H04643
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
家田 淳一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (20463797)
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研究分担者 |
針井 一哉 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 主任研究員 (00633900)
佐藤 奈々 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (10867112)
日置 友智 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10898042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
43,550千円 (直接経費: 33,500千円、間接経費: 10,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2021年度: 28,600千円 (直接経費: 22,000千円、間接経費: 6,600千円)
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キーワード | メタマテリアル / 磁性絶縁体 / マグノン / 重イオンビーム / マグノニクス / スピントロニクス / スピン格子結合 / スピン波 / 重イオン照射 / マスクパターニング / 保磁力 / パーコレーション |
研究開始時の研究の概要 |
放射線を用いて磁気メタマテリアルを作製し、マグノニクスにおける機能材料としての有益性を実験・理論の両面から検証する。これにより、電気的な損失を伴わない磁気論理回路や室温でのマグノン量子伝導現象研究への道が大きく拓かれる。スピン流物理研究の知見と、放射線を用いて酸化物材料の構造変成を研究する実験手法、及び磁気メタマテリアルの特性評価に最適なスピン波トモグラフィー法などの測定手法を組み合わせることで、磁気メタマテリアルのプロトタイプを世界に先駆け創出する。
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研究成果の概要 |
磁性絶縁体単結晶薄膜に、放射線の一種である高エネルギーの重イオンビームを照射すると、ビームトラック上の原子が電子をはぎ取られ瞬間的に加熱されることでアモルファス化する。この性質と、フォトリソグラフィーによるマスクパターン法を組み合わせることで、マグノンの伝導回路の作製を目指した。磁性絶縁体は、磁気損失が小さく室温を超える磁気転位温度を持つ酸化物フェリ磁性体イットリウム鉄ガーネット(Y3Fe5O12、YIG)とその類似物質を対象とした。本研究によって、磁性/非磁性の明瞭な境界面の作製手法が確立された。今後マグノン伝搬特性の評価を進めることで、磁気メタマテリアル実現に向けた研究基盤が創出される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線の応用を目的とした原子力工学と磁性体を舞台としたスピン伝導を対象とするスピントロニクスという異なる研究分野の融合で、世界に先駆けて「トポロジカルマグノニック結晶」を実現するための革新的な手段の開発が促進され、新たな学術分野を開拓する基盤が形成される。これにより、自然界には存在しない物性や有用な機能を発現する「メタマテリアル」を作り出す試みに大きく貢献できる。機能性酸化物材料の2次元微細加工技術が誕生すれば世界初であり、将来的に半導体素子の基本であるMOS構造にも一大転換がもたらされる可能性を秘める。
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