研究課題/領域番号 |
21H04645
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
渡邉 力也 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (30540108)
|
研究分担者 |
野田 岳志 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (00422410)
西増 弘志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00467044)
武内 寛明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (20451867)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)
2023年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2022年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2021年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
|
キーワード | 非増幅核酸検出 / CRISPR-Cas / bioMEMS / デジタルバイオ計測 / 非増幅核酸検査 / 1分子生物物理学 / 1分子計測 / デジタルバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
本提案課題では、申請者らが自主開発した世界最高峰のデジタル検出技術を基盤とし、ウイルス由来のRNA等を1分子単位で高感度・高精度・短時間に解析できる革新的なマイクロチップ技術を迅速に確立する。更に、理工医に跨る異分野連携を加速させることで検出系を発展・最適化し、大量の検体を並列かつ多元的に自動解析できる技術基盤へと昇華させるとともに、ウイルスを亜型レベルで解析可能な新規感染診断法の実現を目指す。当該技術は、種々の感染性ウイルスだけでなく、疾患バイオマーカーの検出などにも活用できるため、本研究が成功した暁には、生物学・薬学・医学に跨る波及効果は極めて大きいものと考えられる。
|
研究実績の概要 |
昨今、新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、汎用的なウイルス感染診断法の確立が急務とされている。従来の感染診断では、ウイルス由来のRNAやDNAをPCRなどで増幅し検出する方法と併せて、タンパク質抗原を抗体反応により検出する方法が主流であったが、それらは一般的に、感度・精度・計測時間の何れかにおいて技術的な欠点を内在しており、大量の検体を高効率・高感度・高精度に解析し、感染診断につなげることが極めて困難な状況にあった。この問題を解決すべく、本提案課題では、独自のデジタル検出技術を基盤とし、ウイルス由来の遺伝子を1分子単位で高感度・高精度・短時間に解析できる革新的な非増幅核酸検査法を確立することを目的としている。本年度は、昨年度に引き続き、CRISPR-Casを用いた独自の非増幅核酸検査法「SATORI法」によって検出できるウイルス遺伝子のレポートリーを増やすことに成功し、さらには、装置の自動化や小型化により、point-of-care testing(POCT)に対応した非増幅検査基盤が確立しつつあると言える(Shinoda et al., Commun. Biol. (2022), Iida et al., Lab chip (2022)など)。これらの成果は、基礎研究としての先進性・革新性だけでなく、実用化への足掛かりになるものであり、学術的・社会的な意義は極めて高いと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であった、1) CRISPR-Casによる非増幅核酸検査法の高度化、2)検出系の並列化・多元化の両方を達成することができたため、本年度の研究はおおむね順調に進展したと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、独自のデジタルバイオ分析技術の高度化による検出対象の多様化を実現するとともに試薬/消耗品の最適化を行うことで、将来のパンデミックに対応すべく、POCTに対応した技術基盤の確立を目指す。
|