研究課題/領域番号 |
21H04646
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
小野田 忍 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 量子機能創製研究センター, 上席研究員 (30414569)
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研究分担者 |
蔭浦 泰資 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (20801202)
加田 渉 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60589117)
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研究期間 (年度) |
2022-02-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | NVセンター / ダイヤモンド / 量子ビット / エンタングルメント / 多量子ビット / イオン注入 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイヤモンド中の負電荷の窒素(N)空孔(V)は、量子コンピュータや量子暗号・通信のための「室温動作」の固体量子情報素子として期待できる。しかし、実現の鍵となるNVの多量子ビット化は、電子スピン同士が相互作用でき得る距離(~10nm程度)に優れた電子スピン特性のNVを集積することの困難さから、研究例が限られている。研究代表者らは、2019年になり、約10年振りに2量子ビットから3量子ビットへ拡張することに成功した。本研究では、多量子ビット化形成技術を高め、ダイヤモンド中のNVからなる多量子ビット化を極め、「室温動作」する小規模な固体量子情報素子を実現することを目指す。
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研究実績の概要 |
ダイヤモンド中の負電荷の窒素(N)空孔(V)は、量子コンピュータや量子暗号・通信のための「室温動作」の固体量子情報素子として期待できる。しかし、実現の鍵となるNVの多量子ビット化は、電子スピン同士が相互作用でき得る距離(~10nm程度)に優れた電子スピン特性のNVを集積することの困難さから、研究例が限られている。研究代表者らは、2019年になり、アデニンをイオン源とする有機化合物を用いて、約10年振りに2量子ビットから3量子ビットへ拡張することに成功した。今までに開発してきた有機化合物ビームとしてはアデニン及びフタロシアニンビームがある。これに加え、L-アルギニンイオンビームの開発に成功した。L-アルギニンは、天然存在比だけでなく、15Nと13Cに同位体濃縮を行った分子を加速・注入できるようになったため、NV(電子スピン)と13C(核スピン)からなるハイブリット多量子ビットを意図して形成できる可能性が出てきた。形成したNV対の量子もつれを生成することに成功し、量子もつれセンシングの予備試験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
L-アルギニンイオン注入によってNVの形成が確認できた。同位体濃縮のL-アルギニンイオンを用いることで、15NVと13Cを同じ箇所に注入することができるようになり、NV(電子スピン)と13C(核スピン)のハイブリット多量子ビット形成の可能性がでてきた。NV電子スピン同士の双極子結合の計測実験を行い、双極子相互作用が100kHzを超えるNV対を確認できた。さらに、当該NV対を用いて量子もつれの生成に成功した。研究の状況はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
分子イオンを注入して多量子ビットのNV形成を行う際、注入したN原子を効率良くNVに転換する必要がある。共注入を行うことで効率よくNVを形成する実験を実施する。また、量子もつれさせたNV対を量子センシングに応用する等の実験を行い、多量子ビットNVの優位性を示す。
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