研究課題/領域番号 |
21H04652
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
笹川 崇男 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (30332597)
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研究分担者 |
黒田 健太 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00774001)
矢野 力三 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80830356)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | トポロジカル電子物質 / 第一原理計算 / 単結晶 / 角度分解光電子分光 / 磁気輸送特性 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル電子状態への新概念の提案が理論から続く中、新物質の探索にはマテリアルズ・インフォマティクス(MI)が導入され始めている。この潮流の中で、世界最前線の実験研究を推進しつつ、トポロジカル物質科学からトポロジカル材料工学へと学理のフェーズを変えるために、「第一原理計算」「純良単結晶育成」「先端分光計」「極限環境物性評価」を武器に、MIを活用しつつ、更にその一歩先をゆく独自の物質・物性・機能の開拓を行う。
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研究実績の概要 |
トポロジカル電子状態への新概念の提案が理論から続く中、新物質の探索にはマテリアルズ・インフォマティクス(MI)が導入され始めている。この潮流の中で、世界最前線の実験研究を推進しつつ、トポロジカル物質科学からトポロジカル材料工学へと学理のフェーズを変えるために、「第一原理計算」「純良単結晶育成」「先端分光計」「極限環境物性評価」を武器に、MIを活用しつつ、更にその一歩先をゆく独自の物質・物性・機能の開拓を行った。 令和5年度の成果としては、① 特定の結晶面にのみトポロジカル表面状態が出現する「弱いトポロジカル絶縁体」について、室温での実用化に適したバルクのエネルギーギャップが大きい物質の開発に成功したこと、② 温度で構造相転移する物質系を対象として、実験検証が進んでいない高温相を室温で安定化させて、トポロジカル電子状態を実験解明することに成功したこと、③ 超伝導とトポロジカル性が共存する複数の物質について、構造多形の制御や化学ドーピングなどの実験手法を駆使しながら物性評価することが進んだこと、などが特筆される。 学会発表や論文発表にまで至った本年度に扱った物質は、絶縁体/半導体(MoS2, MoSe2, WS2, WSe2, WTe2, ReSe2, TiS2, h-BN, In2Se3, Fe-BiSbTe2Se, Bi2Se3, TlBiSe2, NiS2, TlBiSe2, WOx)から半金属(CaAg0.9Pd0.1P, HgCr2Se4, ZrSiS, HfSiS)、磁性体(Fe5-xGeTe2, Co2FeSi, Co2MnGa, NdBi, PdCrO2) 、超伝導体(Td-MoTe2, 2M-WS2, NbTe2, La1.85Sr0.15CuO4, TaSe2, Fe(S,Se))までと、多岐にわたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
絶縁体/半導体(MoS2, MoSe2, WS2, WSe2, WTe2, ReSe2, TiS2, h-BN, In2Se3, Fe-BiSbTe2Se, Bi2Se3, TlBiSe2, NiS2, TlBiSe2, WOx)から半金属(CaAg0.9Pd0.1P, HgCr2Se4, ZrSiS, HfSiS)、磁性体(Fe5-xGeTe2, Co2FeSi, Co2MnGa, NdBi, PdCrO2) 、超伝導体(Td-MoTe2, 2M-WS2, NbTe2, La1.85Sr0.15CuO4, TaSe2, Fe(S,Se))までの多岐にわたる物質を、高品質な単結晶試料として開発し、それぞれについて学会発表や論文発表を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画遂行への、「マテリアルズ・インフォマティクスを活用しつつ、そのスキームだけでは探索・開拓することが難しい新しい種類のトポロジカル電子物質を、独自の研究戦略をもとに開発してゆく」という方針・方法論の有効性を実証することができているので、引き続き、この勢いを維持・増強してゆく。 第一原理計算を用いた物質選定、純良単結晶試料を準備しての物質開拓や物性評価、角度分解光電子分光法による電子構造の直接観察、マイクロフレーク単結晶を用いたデバイス作製による性能評価や機能実証といった、各チームのもつ研究の武器を最大限に活用し、相補的な役割分担のもとで研究計画を推進してゆく。
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