研究課題/領域番号 |
21H04660
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小西 邦昭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60543072)
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研究分担者 |
三田 吉郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2021年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | フォトニック結晶 / 非線形光学 / 真空紫外光 / メタマテリアル / メンブレン |
研究開始時の研究の概要 |
波長200nm以下の光である真空紫外コヒーレント光を用いた分光法は、固体中の電子のバンド構造の直接観測や、生体分子の構造計測など物理、化学、生命科学の広い分野で重要な応用を有している。本研究では、代表者らが近年発見した誘電体ナノメンブレン人工構造を用いた真空紫外波長変換の手法を活用し、新たな真空紫外光源技術として確立することを目指す。分光用光源として使用可能な強度、波長、偏光での真空紫外コヒーレント光発生を実現し、新たな真空紫外分光法への開発とつなげていく。
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研究実績の概要 |
本年度は、母材のマテリアルのバンドギャップをさらに高エネルギー化することによって、真空紫外直線偏光THGの短波長化を目指したフッ化物薄膜ナノメンブレンを開発するため、水を使用しないメンブレン化のプロセス開発を進めた。その結果、フッ化酸化物をメンブレン化するためのプロセス手法を確立することに成功した。さらに、真空チャンバー中で真空紫外第三次高調波発生の観測実験を進め、150nm以下の真空紫外領域における第三次高調波発生が所持ていることを確認することに成功した。 また、SiO2ナノメンブレンからの真空紫外光発生の高強度化を行うために、メンブレン表面上でのビームスポットサイズを拡大させたのちに励起用の可視光超短パルスレーザーのパワーを増大させる実験を行ったところ、励起光の平均パワーを1W以上にまで上昇させてもメンブレンは破壊されないことを明らかにした。 加えて、可視光領域の新たな誘電体ナノメンブレン材料として窒化シリコン膜に着目し、窒化シリコン膜に対して、サブミクロンオーダーの穴形状を有するフォトニック結晶ナノメンブレンを作製する手法を確立することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までの段階で、本研究プロジェクトの大きな目標であったSiO2フォトニック結晶ナノメンブレンおよびフッ化物ナノメンブレンの作製手法を確立することに成功した。また、それらの材料を用いて、発生する真空紫外第三次高調波の強度の増大および短波長化も可能であることも確認できた。 もう一つの目標であった真空紫外スペクトル計測システムの構築については前倒しで計画を進めていたため、最終年度で目的とする実験を総合的に行うことが可能な段階に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作製プロセスを確立したSiO2フォトニック結晶ナノメンブレンからの高強度化真空紫外光の発生と、フッ化物ナノメンブレンからの短波長真空紫外光第三次高調波発生についての実験データの取得を進めていく。さらに、真空紫外円二色性計測システムにこれらのナノメンブレンを導入することによって、目的であった真空紫外円二色性計測を実現する。
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