| 研究課題/領域番号 |
21H04667
|
| 研究種目 |
基盤研究(A)
|
| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
|
| 研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
町田 嗣樹 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 上席研究員 (40444062)
|
| 研究分担者 |
安川 和孝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00757742)
藤永 公一郎 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 上席研究員 (90409673)
大田 隼一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (70793579)
|
| 研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
|
| 配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 28,340千円 (直接経費: 21,800千円、間接経費: 6,540千円)
|
| キーワード | 鉄マンガン酸化物鉱床 / 資源探査 / 海底地質 / 化学分析 / 統計解析 / マンガンノジュール / 南鳥島EEZ / Nd・Pb同位体測定 / 海底音響反射強度 / 海底映像 / 機械学習 / マイクロXRF / Re-Os同位体年代測定 / X線CTスキャン / 下部周極深層水 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、南鳥島周辺の日本の排他的経済水域内に広く分布することが明らかになっている鉄マンガン酸化物に対し、レアメタル資源としてのポテンシャルをも評価可能な革新的・効率的な音響探査プロトコルを構築することが目的である。鉄マンガン酸化物に対する微小部蛍光X線分析装置によるマッピング分析とその数理統計解析を行なって、数千万年におよぶレアメタル濃集の履歴(化学組成変化)を詳細に読み解き、既知の鉄マンガン酸化物の分布状況(地質学的特徴)と内部の層構造(物理的特徴)とを統合して解析し、有望海域を具体的に見出し実地検証することを通して、音響探査において指針とすべきファクターを明確化する。
|
| 研究実績の概要 |
代表試料についてのNdおよびPb同位体分析を継続し、昨年度分析を行った試料も含めて総括した結果、ノジュール最表層のNd同位体比は、南鳥島海域における海水のNd同位体比深度プロファイルのトレンドと整合的であり、対象としたサンプルが分布する水深5,700 mの海水のNd同位体比を保持していることが明らかとなった。さらに、微小部蛍光X線分析装置(マイクロXRF)を用いた分析により得られた微細層構造を考慮してFe-Mn酸化物層の表層から中心部に向かっての同位体比変動を精査した結果、中心部に向かって徐々にNd同位体比が減少し、核の周辺でほぼ一定となる傾向が認められた。一方Pb同位体比は、表層から中心部にかけて概ね均一な値であるものの、核の近傍で急激に値が低下した。これらの組成変動は、太平洋における他海域のFe-Mn酸化物や堆積物のNd同位体比の経時変化の傾向に等しく、Pb同位体比の急激な低下も、赤道域太平洋の同様の水深から得られたFe-Mn酸化物の傾向と一致することが判明した。 さらに、マンガンノジュールの分布様態と後方散乱強度の対応関係を詳細に明らかにするため、しんかい6500の潜航中に連続的に取得され、海底面に分布するノジュールの様子を収録した映像(4Kビデオカメラで取得)の解析を行なった。映像に映るマンガンノジュールをSegment Anything Modelと呼ばれる大規模画像認識機械学習モデルを用いて検出し(約1000枚におよぶ画像を解析)、ノジュールの数および被覆率、個々のノジュールの2次元投影面積および縦軸/横軸の長さ、推定体積について定量情報の算出を試みた。そして、後方散乱強度とノジュール分布を比較して、2次元投影面積の大きいノジュール(大型や板状)存在が顕著となる反射強度値(解析した後方散乱強度データセットにおいて6.4 dB)を特定した。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き、マイクロXRFを用いたマッピング分析を完了した試料に対しての同位体分析・解析と、海底音響反射強度データ(dB値)とマンガンノジュールの分布様態(粒径分布や分布密度)の対応関係の検討を継続した。 特に同位体分析について、昨年度確立した分析処理(マイクロドリルを用いた分析試料サンプリングやCeカラム分離等)を適用して分析試料を増やし、マンガンノジュール密集域内のローカルな地域バリエーションの有無を検証して、Fe-Mn酸化物の起源となった水塊の時空間変遷を検討した。その結果、研究実績の概要に記載したとおり、本研究対象海域におけるFe-Mn酸化物層の成長過程に対応するNdおよびPb同位体変動は、密集域が分布する海域特有のものではなく、太平洋全体の海水の組成変動を反映したものであることが明らかとなった。 一方、既存の海底音響反射強度データ(dB値)とマンガンノジュールの分布様態(粒径分布や分布密度)の対応関係については、研究実績の概要に記載したとおり、機械学習を用いてマンガンノジュールの分布様態を示す定量情報を効率的かつ客観的に取得する体制を構築し、具体的な対応関係を見出すことができた。 これらは、いずれも資源探査プロトコルを構築するうえで基盤となる知見や成果である。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今後は、マイクロXRFを用いた分析により得られた南鳥島マンガンノジュールの多元素の化学組成マッピングデータセットに対する独立成分分析を継続し、レアメタル濃集の支配因子を特定し、その影響の強弱を個々のFe-Mn層について可視化する。同時に、同位体組成分析から明らかになった太平洋全体の海水の組成変動との関連も精査する。 以上に加え、これまでの本研究により分析・解析の対象とした音響データ(海底の反射強度分布)と、サンプルの各種観察や化学分析の結果(顕微鏡、CT、マイクロXRFマッピングおよび独立成分分析)を精査して、鉄マンガン酸化物の分布状況(地質学的特徴)と内部の層構造(物理的特徴)との関係性にもとづき抽出された有望海域の候補地点について、南鳥島南東方沖での調査航海の成果を踏まえた有望性の検証を以下のとおり実施する。 複数抽出されたそれぞれの候補地点において、(1)海底のノジュール分布の様子(海底画像および潜水調査船等による映像)、(2)採取したノジュール量から算出された単位面積あたりのノジュール量(kg/m2)にもとづいて、(3)コバルトやレアアースといった資源的な価値の高い元素の存在量(レアメタル資源量)を推定し、当該海域が真に有望であるかを検証する。 これら全ての情報をまとめ、本研究で取り扱った鉄マンガン酸化物の分布状況(地質学的特徴)と内部の層構造(物理的特徴)を示す各パラメータのうち、何に着目すれば未調査の海域において有望海域を絞り込むことができるか、音響探査において指針とすべきファクターを明確化する。
|