研究課題/領域番号 |
21H04670
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
坂田 将 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (70357101)
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研究分担者 |
玉木 秀幸 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (00421842)
眞弓 大介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30549861)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2023年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2022年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2021年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 枯渇油田 / エネルギー回収 / 微生物 / 原油メタン変換 / メカニズム解明 / 油層 / 環境微生物 / 原油分解 / メタン生成 / トルエン / メタゲノム / 同位体トレーサー法 |
研究開始時の研究の概要 |
枯渇油田の石油貯留層において嫌気微生物が原油を分解しメタンを生成する機能を最大限に活用して残留原油を天然ガス=新たなエネルギー資源として再生・回収するための革新的な基盤技術の創成を志向する。絶対嫌気高圧培養法・分子生態学的微生物機能解析法・地球化学的代謝産物同定法を駆使し、すでに国内油層から獲得している高活性の原油分解微生物群が原油中の炭化水素成分をメタンに変換するプロセスの全容(反応経路と介在微生物)を解明するとともに、その機能を賦活化する条件とメカニズムを明らかにし、メタン変換効率を最大化する技術を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、枯渇油田の石油貯留層において嫌気微生物が原油を分解しメタンを生成する機能を最大限に活用して残留原油を天然ガス=新たなエネルギー資源として再生・回収するための革新的な基盤技術の創成を志向するものである。本年度は、すでに国内油田の油層から獲得している原油分解メタン生成微生物群を対象として、分子生態学的・地球化学的解析技術によって反応経路と介在微生物の概要を解明した。具体的には、現場油層環境を模擬する高温高圧培養実験で集積したトルエン分解メタン生成微生物コミュニティから全DNAを抽出し、メタゲノム解析を行った。メタン生成菌としてはMethanothermobacter属古細菌やMethanosaeta属古細菌が検出され,バクテリアに関しては複数種の未培養細菌で構成されていた。このことから、深部地下油層環境ではこれらのバクテリアとメタン生成菌のsyntrophic networkを介した原油分解メタン生成反応が進行していることが示唆された。地球化学的解析に関しては、安定同位体トレーサー法でトルエンからメタンへと至る反応経路を探るために、13C-トルエンを培養系に添加し13C-メタンの生成を検証するとともに、その培養液から脂質成分を抽出し、ガスクロマトグラフ燃焼同位体比質量分析計 (GC-C-IRMS) とガスクロマトグラフ質量分析計 (GC-MS)で13C/12C比とマススペクトルを測定した。その結果、13C/12C比が顕著に高い脂質成分が数成分検出されるとともに、そのマススペクトルにおいて13C-トルエンに由来するフラグメントの存在が明らかになった。これらはトルエン分解メタン生成反応の中間代謝産物であると推定される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内油層から獲得しているトルエン分解メタン生成微生物コミュニティについて、分子生態学的・地球化学的解析技術によって反応経路と介在微生物を解明するための重要な手がかりが得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
トルエン分解メタン生成微生物コミュニティについて、分子生態学的・地球化学的解析技術による反応経路と介在微生物の解析を進める。13C-トレーサー法で検出されたトルエンの代謝産物を同定するために、マスワークスによるマススペクトルの詳細解析を行うとともに、中間代謝産物と推定された脂質成分を同定するため、標準物質を探索、あるいは合成する。原油分解メタン生成反応として実際に機能している代謝経路を特定するために、全RNAを対象としたメタトランスクリプトーム解析を行う。アルカン分解メタン生成微生物コミュニティについても、反応経路と介在微生物の解析を行う。
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