研究課題/領域番号 |
21H04686
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 佳樹 九州大学, 工学研究院, 教授 (70284528)
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研究分担者 |
馬場 英司 九州大学, 医学研究院, 教授 (00315475)
森 健 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70335785)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
40,560千円 (直接経費: 31,200千円、間接経費: 9,360千円)
2023年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2021年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
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キーワード | がん診断 / フローサイトメトリー / 膜抗原 / 臨床診断 / コンパニオン診断 / 蛍光法 / 酵素増感法 / ELISA / がんコンパニオン診断 / 蛍光分子プローブ / がん / 分子プローブ / 細胞膜抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜タンパク質は、個々のがんに有効な薬剤を選定するコンパニオン診断には最も重要なマーカーであると言える。しかし現在の病理診断では定量性の欠如のため有効な診断が不可能である。定量的な膜抗原の評価法として用いられるフローサイトメトリー法(FCM)では、細胞の自家蛍光のために、現行のFCMでは、重要な低発現量の膜抗原の検出ができなかった。本研究では、世界初のFCMにおける多重染色型検出シグナル増感法を開発し、これまで適用できなかった抗体医薬の標的分子検出を試み、がんコンパニオン診断法の基礎を確立する。
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研究成果の概要 |
申請時に開発していた酵素増感法で検討したところ、感度向上を達成したが、内在する酵素活性によるバックグラウンドの上昇がみられ、そこれがさらなる感度向上を阻害することが分かった。そこで、ヒト細胞に内在活性が存在しない酵素を利用することを発想し、探索により細菌類や植物が保有し、哺乳類には内在活性のないヒト直交性酵素を8種取得することに成功した。これらの酵素のうち一つに対するクマリン型基質プローブを作成して検討したところ、バックグラウンドが抑えられることで感度が大きく向上できた。さらに多色化のため、キノンメチドが生じるユニットを蛍光基から独立させたプローブ構造を発案し、クマリン型で合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんコンパニオン診断は、個々のがんにおいて有効な制癌剤を選定するために必要不可欠であるが、現在、有効な手段がなく、薬剤の奏効率が低いことが大きな問題である。有効な診断法の開発を阻んでいる原因は、がんの機能(タイプ)を詳細に識別するために必要ながん細胞上の膜抗原の検出において、発現量が低くく有効な検出法が存在しないことである。本研究の成果は、酵素増感法とバックグラウンドを抑える内在活性のないヒト直交酵素の利用という新規な分析法の開発により、この問題を解決できたことであり、これにより原理的にはコンパニオン診断が可能になり、分析化学的にも社会的にも大きな意義がある。
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