研究課題/領域番号 |
21H04721
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金山 喜則 東北大学, 農学研究科, 教授 (10233868)
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研究分担者 |
高橋 英樹 東北大学, 農学研究科, 教授 (20197164)
加藤 一幾 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30613517)
黒田 理人 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (40581294)
渡部 敏裕 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60360939)
須川 成利 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (70321974)
栗原 大輔 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (90609439)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 生理障害 / 野菜 / トマト |
研究開始時の研究の概要 |
環境ストレスによって引き起こされる生理障害は、病虫害と並んで世界・日本で農業被害の双璧である。しかし原因が明確な病害虫と比べてその研究は遅れており、発生機構の全容解明は困難な状況にある。そこで本研究では、世界で最も生産されている野菜であるトマトに甚大な被害を及ぼす尻腐れ果をモデルケースとし、ブレークスルーテクノロジーとして原因イオンのレポータータンパク質によるイメージング、高感度センサ等による障害部位の早期検出や内部構造の可視化、イオンや遺伝子の網羅的解析と遺伝子発現制御によるエビデンスの獲得により尻腐れ果の発生機構を解明するとともに、生理障害の解析プラットフォームを提案する。
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研究実績の概要 |
環境ストレスによって引き起こされる生理障害は、病虫害と並んで世界・日本で農業被害の双璧である。しかし原因が明確な病害虫と比べてその研究は遅れており、発生機構の全容解明は困難な状況にある。そこで本研究では、世界で最も生産されている野菜であるトマトに甚大な被害を及ぼす尻腐れ果をモデルケースとし、ブレークスルーテクノロジーとして原因イオンのレポータータンパク質によるイメージング、高感度センサ等による障害部位の早期検出や内部構造の可視化を実施して原因を特定することとした。さらに、イオノミクスを含むオミクスと遺伝子発現制御によるエビデンスの獲得により、尻腐れ果の発生機構の解明を進めることとした。そして以上により、生理障害を克服する技術開発と解析プラットフォームを提案するための基盤を確立することを目的とした。困難とされている尻腐れ誘導実験系については、実験用トマトであるマイクロトムを用い、カルシウム濃度の調節を基本とした実験系の検討をおこなった結果、精度・安定性をさらに高める必要はあるものの、尻腐れ果の発生を誘導する基本的な実験系はほぼ確立した。また、カルシウムセンサタンパク質であるGCaMPの利用については、トマトでの利用について多面的な検討をおこなった。その結果、より精度を上げる必要はあるものの基本的な利用条件を明らかにすることができた。さらに、高感度センサでは仕様の検討をおこなうとともに試作品を作成し、イオノーム解析を含むオミクス解析では果実発育の初期段階での成長速度とカルシウム濃度との関係が障害発生に影響することを示し、また放射光を利用した解析においてはX線位相コントラストCT法により維管束を可視化できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画のうち、生理障害、特に尻腐れ果の発生の早期検出等のための高感度センサの利用においては、解析の条件設定をおこない、実験結果の分析を実施し、結果のとりまとめを2021年度末までにおこなう予定であった。しかし、センサを利用した解析の条件設定をおこなったところ、障害の検出をおこなうためにはセンサのコンパクト化の必要性が生じた。研究遂行上、コンパクトなセンサを利用し、解析条件の設定をおこなうことが必要であることから経費を翌年度に繰り越して、センサの仕様を検討し、試作品センサを作成した。現在、この繰り越し項目および他の項目について特段の進捗上の問題がないため、上記の進捗状況とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、主要野菜であるトマトにおける尻腐れ果を対象とし、ブレークスルーテクノロジーとして、原因イオンのレポータータンパク質によるイメージング、高感度センサ等による障害部位の早期検出や内部構造の可視化、イオンや遺伝子の網羅的解析と遺伝子発現制御によるエビデンスの獲得により、尻腐れ果の発生機構を解明するとともに、生理障害解析の解析プラットフォームを提案する方向で研究を推進する。そのため、実験用トマト品種マイクロトムを用いた尻腐れ果発生誘導系の確立においては、精度と再現性を上げるための処理方法を検討することとし、特に低カルシウム濃度処理に加えて他の環境ストレス処理を組み合わせていくなどの方策を考えている。また、カルシウムセンサタンパク質であるGCaMPの利用については、果実での利用法の確立を進め、試料切断等の影響を排除して、各種刺激による蛍光シグナルの上昇を明確に検出できる条件を明らかにする予定である。さらに、高感度センサの利用においては、開発した試作品を用いて撮影条件の設定をおこない、またオミクス解析においては引き続きイオノームを中心として尻腐れ果の発生と各元素との関係の検討を続ける方向である。以上の計画を実施することによって、尻腐れ果発生機構の解明をすすめるとともに、各々の解析方法の有用性を検証していく予定である。
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