研究課題/領域番号 |
21H04744
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
平井 浩文 静岡大学, グローバル共創科学部, 教授 (70322138)
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研究分担者 |
一瀬 博文 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00432948)
鈴木 智大 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (10649601)
長井 薫 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20340953)
森 智夫 静岡大学, 農学部, 准教授 (80536516)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
2024年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2023年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
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キーワード | バイオレメディエーション / 白色腐朽菌 / シトクロムP450 / 毒性評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、環境汚染物質代謝シトクロムP450(CYP)ライブラリーの構築、及び白色腐朽菌の与える分解代謝産物の生物学的意義の解明を遂行し、これらの知見を総合して目的CYP遺伝子を高発現させた白色腐朽菌Phanerochaete sordida YK-624株による汚染環境修復の実証試験を実施し、汎用性が極めて高い画期的浄化技術を開発し、SDGsにおける達成目標に貢献する地球環境グリーンイノベーションを推進する。
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研究実績の概要 |
(1) 環境汚染物質代謝CYPライブラリーの構築 本研究の供試菌であるPhanerochaete sordida YK-624株は214種のシトクロムP450(CYP)遺伝子を有しおり、これらCYPが代謝可能な環境汚染物質を決定し、環境汚染物質代謝CYPライブラリーを構築することを目的に、P. sordida YK-624株からのCYP遺伝子(cDNA)の取得及び発現プラスミドの構築を行った。その結果、214種類のCYP遺伝子のうち、192種のCYP遺伝子の取得に成功した。また、取得出来なかったCYP遺伝子については受託合成を行い、214種全てのCYP遺伝子の取得を完了した。これらを酵母に導入し、全CYP遺伝子組換え酵母の作成に成功した。本組換え酵母を用いて、7-エトキシクマリン、アセタミプリド(ACE)、イミダクロプリド、イミダクロチズ、バニリン、カルバゾール、ビスフェノールA(BPA)の代謝実験を行った結果、これらを代謝可能な複数のCYPの同定に成功した。
(2) P. sordida YK-624株の与える分解代謝産物の生物学的意義の解明 『白色腐朽菌は環境汚染物質を、環境中に存在する微生物が分解可能となる形にまで代謝している』という仮説を証明すべく、ACE及びBPAの代謝に関与するCYPの同定を試みた結果、ACEをIM 2-1に、BPAをハイドロキシBPAに変換するCYPの同定に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
P. sordida YK-624株が有する全CYP遺伝子を取得し、それぞれを発現するCYP遺伝子組換え酵母の作出を完了した。すでに7化合物を代謝可能なCYPの同定に成功しており、今後、供試化合物が飛躍的に増えることが見込まれる。 またP. sordida YK-624株の与える分解代謝産物の(生物的)合成法も確立出来たので、今後、環境微生物による検討が可能となった。よって、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 環境汚染物質代謝CYPライブラリーの構築については、各種環境汚染物質をCYP組換え酵母で処理し、環境汚染物質代謝CYPライブラリーの構築を完了させる。 (2) P. sordida YK-624株の与える分解代謝産物の生物学的意義の解明については、実際にACEとIM 2-1、BPAとハイドロキシBPAを環境微生物で処理し、分解性の違いを検討するとともに、微生物群解析、発現遺伝子解析等を実施する。
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