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比較ケミカルゲノミクスによる寄生植物の新奇発生プロセスの立証

研究課題

研究課題/領域番号 21H04775
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
研究機関名古屋大学

研究代表者

土屋 雄一朗  名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任教授 (00442989)

研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2021年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
キーワード寄生植物 / シグナル分子 / 誘引 / ストリゴラクトン / 誘因 / 植物ホルモン / 蛍光プローブ / 化学屈性
研究開始時の研究の概要

寄生植物は、植物形態の基本的な枠組みを逸脱することなく、動物のように従属栄養として生きる能力を独自に進化させた高等植物であるが、実験室での生育が困難なことから、多くの発生プロセスにおいて不明な点が多数残されている。本研究では、独自に収集した寄生植物コレクションを用い、生物種を問わずに機能レベルでの解析を可能とする低分子プローブを活用することで、寄生植物が発芽して寄生に至るプロセスの解明を目指す。アフリカの穀物生産に甚大な被害を引き起こす寄生植物であるストライガの新たな防除法の開発につながると期待される。

研究実績の概要

寄生植物は、植物形態の基本的な枠組みを逸脱することなく、動物のように従属栄養として生きる能力を独自に進化させた高等植物であるが、実験室での生育が 困難なことから、多くの発生プロセスにおいて不明な点が多数残されている。本研究では、独自に収集した宿主依存度の異なる寄生植物コレクションを用い、生物種を問わずに機能レベルでの解析を可能とする低分子プローブを活用することで、寄生植物が宿主の根に向かって伸張する「化学屈性」と呼ばれる未だ実態の明らかとなっていない能力の存在を立証することを目的とした。これを達成するため、モデル寄生植物としてハマウツボ科の半寄生植物であるセイヨウヒキヨモ ギを設定し、宿主であるヨモギへの誘因反応に関する基本的な遺伝経路の解析を行った。今年度は、スプリットシャーレを用いたアッセイ形を確立し、水溶性の因子および揮発性因子による誘因機構それぞれについて阻害剤を用いた試験を行った。また、水溶性因子と揮発性因子の相互作用についても応答性の解析を進めた。また、想定された誘導性遺伝子のRT-qPCRによる発現解析、重力屈性に関わるアミロプラストの観察等を行った。さらに、未同定である揮発性誘因因子の構造決定に向け、固相マイクロ抽出法 (SPME)法を用いた揮発性分子の回収とGC-MSによる比較解析を行った。候補となる分子のうち、購入可能なものに関しては手に入れ、in vitroの誘引試験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の想定である遺伝回路の基本構成は明らかとなり、オーキシン蛍光プローブの解析も行った。さらに、当初は想定していなかったシグナル分子の構造同定へと準備を進めることができたため、想定以上の進展と判断した。

今後の研究の推進方策

トランスクリプトーム解析、および揮発性の誘因因子の構造決定に向けた研究を進める.SPME法については装置のセットアップが完了し、揮発性分子の網羅的解析が可能になった。まず、栄養、光、生育ステージ等、誘引因子を放出するヨモギ側の生理条件を検討し、差が見られる条件にてSPME解析を行うことで、誘引因子を発する条件でのみ見られるピークの検出を試みる。分子量と開裂のパターンをライブラリーと照合することで構造を推定することができるプラットフォームを設定したため、既知の分子であった場合はこの条件で構造を決定できると考えられる。購入可能なものに関しては入手し、化合物単独での誘因活性、および誘因を起こさない条件でヨモギに与えたときに誘因活性が復活するか等のアッセイにより検証する。トランスクリプトームに関しては、当初予定していたケミカルトランスクリプトームに先立ち、通常のトランスクリプトーム解析をまず行う。抽出した水溶性因子、およびスプリットシャーレを用いたヨモギからの揮発性因子に対する転写産物の応答を解析し、誘導性の遺伝子等を同定や、水溶性因子と揮発性因子の相互作用に関する解析を行う。これにあたり、セイヨウヒキヨモギはゲノムが読まれていないため、ゲノムが読まれているコシオガマのデータを参照し、de novo assemblyと組み合わせてリファレンス配列の作成を行う。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Gibberellins Promote Seed Conditioning by Up-Regulating Strigolactone Receptors in?the Parasitic Plant <i>Striga hermonthica</i>2023

    • 著者名/発表者名
      Yap Jia Xin、Tsuchiya Yuichiro
    • 雑誌名

      Plant And Cell Physiology

      巻: 64 号: 9 ページ: 1021-1033

    • DOI

      10.1093/pcp/pcad056

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Gibberellins promote seed conditioning by up-regulating strigolactone receptors in the parasitic plant Striga hermonthica2024

    • 著者名/発表者名
      Yap Jia Xin and Yuichiro Tsuchiya
    • 学会等名
      第65回日本植物生理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Unknown volatile compounds orient roots of parasitic plant toward host,2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Tsuchiya
    • 学会等名
      The 24th International Conference on Plant Growth Substances
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 有害寄生植物オロバンキの自殺発芽剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      榊原悠太、佐藤綾人、土屋雄一朗
    • 学会等名
      植物化学調節学会第 58 回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Gibberellins promote seed conditioning by up-regulating strigolactone receptors in the parasitic plant Striga hermonthica2023

    • 著者名/発表者名
      Yap Jia Xin and Yuichiro Tsuchiya
    • 学会等名
      植物化学調節学会第 58 回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Unknown volatile compounds orient roots of parasitic plant toward host2023

    • 著者名/発表者名
      林 万理奈, 土屋雄一朗
    • 学会等名
      植物化学調節学会第 58 回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 実は誰もみたことがないオーキシンの細胞間の移動2023

    • 著者名/発表者名
      土屋 雄一朗
    • 学会等名
      植物生理学会サテライトシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Unknown signaling molecules direct roots of parasitic plants toward host plants2023

    • 著者名/発表者名
      林 万理奈
    • 学会等名
      植物生理学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Effect of Strigolactones Hydrolysis on Striga Germination2023

    • 著者名/発表者名
      塩谷 翔
    • 学会等名
      植物生理学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Functional analysis of parasitic plant Striga hermonthica germination inhibitor RTC22022

    • 著者名/発表者名
      Yap Jia Xin
    • 学会等名
      植物化学調節学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-04-17  

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