研究課題/領域番号 |
21H04777
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池田 史代 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (50837151)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2024年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | ユビキチン / LUBAC / 新規結合型ユビキチン鎖 / HOIL-1L / 炎症制御 / ユビキチンリガーゼ / 複合型ユビキチンコード / ナノボディー |
研究開始時の研究の概要 |
炎症反応の制御メカニズムの解明は、サイトカインストーム等に起因する致死を防御する上でも重要な知見となる。本研究では、炎症性細胞内シグナル制御にカギとなるユビキチンリガーゼ複合体LUBACの構成因子、HOIL-1L分子が誘導する「新規の複合型ユビキチンコード」に着眼する。最近、申請者らはHOIL-1L分子の予測されたユビキチンリガーゼ部位(RBR)が、「新規の複合型ユビキチンコード」を誘導することを見出しているが、この新規ユビキチンコードの生体内での役割は不明である。本研究では、HOIL-1L誘導性新規ユビキチンコードの炎症を含む生体内機能を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
炎症反応、自己免疫疾患や神経変性疾患などのヒト疾患において役割を担っているとされるHOIL-1ユビキチンリガーゼに着眼した研究を継続して進めている。我々が独自に開発した、RBR型ユビキチンリガーゼHOIL-1に対するナノボディー各クローンの生化学的特徴を解析した。特に、リコンビナントタンパク質を用いたin vitroにおけるユビキチン化誘導に対する効果、およびナノボディークローンとHOIL-1のアフィニティーの解析を行った。ユビキチン化誘導における役割として、誘導促進するクローン、抑制するクローン、影響のないクローンをそれぞれ取得できた。アフィニティーについてはBLI を用いるために、新たにタンパク質を精製して解析を行った。その結果、選択したクローンについてナノボディーが持つ特徴に沿った結合が観察できた。また免疫沈降法に適しているものを選択するために、精製したHOIl-1ナノボディータンパク質および、ヒトHOIL-1、マウスHOIL-1を一時的に発現させた細胞のタンパク質抽出液を用いて解析を行ったところ、複数のクローンが免疫沈降に適していることが明らかになった。HOIL-1は炎症シグナル制御や細胞死にも重要であることが知られていることから、ナノボディーを用いてこれらの細胞内シグナルのコントロールができるかについても解析中である。 得られた成果については、複数の学会において口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で着眼しているHOIL-1リガーゼに対する、ナノボディークローンの生化学的解析結果より、今後の実験に有用なクローンが複数得られていること、不活型変異体を発現するマウスの病理解析と細胞内シグナルの解析から、HOIL-1の生理学的機能についての理解が概ね順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
ナノボディークローンの生化学的解析について進めるとともに、免疫沈降法の確立、細胞内シグナル活性におけるHOIL-1リガーゼ活性の役割の解析、ゲノム編集法を用いて作製した変異体マウスの病理解析を計画に沿って進める。得られた成果は国内外の学会で発表し、論文化にむけての準備を進める。
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