研究課題/領域番号 |
21H04792
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
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研究分担者 |
小野口 玲菜 (水谷玲菜) 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (30780697)
谷上 賢瑞 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任准教授 (90648627)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2024年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
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キーワード | RNA / ストレス / RNP / 核 |
研究開始時の研究の概要 |
熱や高浸透圧などの物理化学的ストレスに応答して、動物細胞の長鎖ノンコーディングRNA MALAT1が核内を移動して特徴的RNA-protein構造体(RNP構造体)を形成することを申請者は発見した(Onoguchi-Mizutani, J Cell Sci, in press)。これまでの研究から、(1)RNP構造体の形成そのものが物理化学的変化を感知するセンサーとなり、(2)RNP構造体が下流の応答を制御する、ことがわかってきた。本研究では、これらRNP構造体の構築原理と生理機能の詳細を解明し、新概念「RNP構造体によるストレス応答制御」を確立する。さらに、ストレス応答機構は抗がん剤の標的となり得るため、RNP構造体を標的とした全く新しい原理の抗がん剤の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、熱ショックや高浸透圧ストレスによって哺乳動物細胞の核内に形成される新規の核内構造体の構造と機能を解明することを目指している。すでに、熱ショックによって、核内長鎖ノンコーディングRNAのMALAT1を含有する核内RNAボディであるHiNoCo-bodyの発見を報告しているが、HiNoCo-bodyを構成するタンパク質性分子の実態は不明であった。また、MALAT1をノックアウトすることで細胞が熱感受性となることから、HiNoCo-bodyの形成が細胞の熱ショック応答において重要な役割を果たすことが示唆されていたが、具体的なメカニズムは不明なままである。そこで、MALAT1に対するアンチセンスオリゴを用いて、MALAT1を回収するときに同時回収されるタンパク質を質量分析計で分析し、MALAT1相互作用タンパク質の中からHiNoCo-body構成タンパク質の同定を試みた。さらに、HiNoCo-body構成タンパク質の機能から熱ショック応答におけるHiNoCo-bodyの具体的役割の解明につなげようと考えた。解析の結果、約100種類のタンパク質を得て、これらをHiNoCo-body構成タンパク質の候補として解析を進めた。系統的ノックダウン実験から、MALAT1のスペックル局在に必須なタンパク質、HiNoCo-body形成に必須なタンパク質を同定できた。このデータをもとに、タンパク質のグルーピングをおこなった。さらに、一部のタンパク質については、細胞内局在を調べ、HiNoCo-body形成に関する予備的知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MALAT1相互作用タンパク質の分析から、MALAT1のスペックル局在に必須なタンパク質、HiNoCo-body形成に必須なタンパク質を同定し、タンパク質のグルーピングをおこなうことができたので、順調に計画が進捗していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
MALAT1のスペックル局在に必須なタンパク質、HiNoCo-body形成に必須なタンパク質の生化学的性質を明らかにすることを通じて、HiNoCo-bodyの機能を分子レベルで解明する。当初計画を順調に推進することが期待できる。
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