研究課題/領域番号 |
21H04810
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 真樹 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90301887)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
41,340千円 (直接経費: 31,800千円、間接経費: 9,540千円)
2023年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 行動戦略 / エラー / 大脳小脳連関 / 小脳歯状核 / 補足眼野 / LFP / 眼球運動 / 非ヒト霊長類 / エラー検出 / 学習機構 / エラー信号 / 霊長類 / 適応制御 |
研究開始時の研究の概要 |
普段、難しい作業をするときは「落ち着いてゆっくりやる」ことで乗り切ろうとする。最近の研究によって、行動上の失敗を予測または検出し、行動戦略を切り替えて維持することに小脳-大脳経路が関与する可能性が示唆されている。本研究では、サルの行動解析、小脳および大脳前頭葉からの神経活動記録、同部の電気および光刺激などを組み合わせてこれを検証する。小脳による高次脳機能制御のメカニズムを具体的なニューロン活動と神経回路のレベルで明らかにする。
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研究実績の概要 |
「慎重を要する状況における行動の制御に外側小脳と前頭葉皮質の機能連関が関与する」との作業仮説を検証するために研究を行った。標的と反対方向に眼球運動を行うアンチサッカード課題をサルに訓練し、次の試行で標的に向かうプロサッカードの潜時が延長することを行動抑制の指標として実験を行うことを計画した。
令和5年度までに、当初計画を上回る様々な知見が得られた。その大きな理由は、行動課題を変更したことにある。ルールを事前に提示する従来の課題では、反応時間を遅らせて正解率を向上させる戦略をとることが多く、解析対象となるエラー試行が少ない上、次試行での反応時間の延長がしばしば認められないという問題があった。このため、固視点ではなく標的の色でルールを提示し、さらにプロサッカードに時間制限を設けた。小脳歯状核ニューロンの一部がアンチサッカード課題で運動方向を誤った直後に活動を変化させるとともに、プロサッカードの反応時間によって活動を段階的に変化させることを前年度までに見出していたが、今年度は複数個体からのデータを蓄積することでこの現象を確実にすることができた。また、当初計画に無かった補足眼野の局所場電位(LFP)の層別解析と小脳核の単発電気刺激を組み合わせることで、運動直後に認められるエラー関連成分は小脳核から入力を受ける層で強いことを見出している。ただし、これまで用いていた多点電極の極間距離が大きいため、今後はさらに空間解像度を上げて検討する必要がある。
また、同様の眼球運動課題の最中に、前試行の種類によって大脳や線条体の脳波律動が変化すること、大脳の電気刺激による線条体の応答もこれに伴って変化することを当研究室の別の研究課題で発見している。令和6年度からは基盤Sとしてこれらを統合した研究を行い、大脳小脳連関によるエラー検出機構と、その後の慎重な行動制御への皮質線条体経路の関与を明らかにする。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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