配分額 *注記 |
42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2023年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2022年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2021年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(自閉症)は社会性の障害に代表される神経発達症(発達障害)であり、その発症にはコピー数多型(CNV)によるゲノム変異等の遺伝的寄与が示唆されている。我々は世界に先駆けてCNVの自閉症ヒト型モデルマウス、また自閉症細胞モデル(Autism in a dish)として、独自に開発した次世代染色体工学を用いて65種類からなる網羅的マウス胚性幹(ES)細胞ライブラリーを構築した。本ライブラリーは世界唯一の貴重なリソースとなる。その中の主に12種類(3q29, 7q11.23, 15q11.2, 15q13.3, 16p13.2, 17q11.2, 17q12, Xq27.3, Xq28)のマウスES細胞モデルをもしいた解析では、分子、形態から機能に至る多面的な解析を取り入れることにより、病態の総合的理解を得るためのデータを取ることができた。とりわけ、シングルセルRNA-seqの解析により、これまで知られていた病態パスウェイに加えて、新たに翻訳系パスウェイの異常を見出した。さらに、1q21.1欠損及び重複のヒトES細胞モデルを用いて、神経をはじめとする2次元培養並びに3次元オルガノイド脳培養を組み合わせて、分子、形態から機能に至る多面的な解析を取り入れることにより、ヒト病態の総合的理解を得るためのデータを取ることができた。本成果は、自閉症を含む精神疾患の病態パスウェイやハブ遺伝子などの創薬シーズに繋がるだけでなく、CNVの発現制御機構の解明というゲノム異常の基盤的理解をもたらす
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