研究課題/領域番号 |
21H04831
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 浩文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30322184)
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研究分担者 |
安藤 幸滋 九州大学, 大学病院, 助教 (20608864)
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
赤井 周司 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60192457)
横山 雄起 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60615714)
森 正樹 東海大学, 医学部, 特任教授 (70190999)
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 講師 (90382423)
江口 英利 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90542118)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
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キーワード | 癌微小環境 / 高分子医薬 / DDS / インテグリンB1 / 微小環境 / インテグリン / sCA / ICG / 高分子製剤 / ナノ粒子 / 癌間質 / 腫瘍間質 / 高分子薬剤 / 効果増強 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の死因のトップは癌であり、膵癌の5年生存率は6-7% しかない。最新医療の免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」の奏効率は20%に留まり、CAR-T細胞療法「キムリア」は急性白血病や悪性リンパ腫に対しては著効するが、固形癌に対する効果は乏しい。固形癌の治療を困難にしているのは、癌細胞を取り巻く堅固な間質のバリアによって投与された薬の一部しか腫瘍細胞に到達しないという問題である。本研究課題では、これまでに開発してきたドラッグデリバリー技術を更に進化させ、癌の微小環境を改善する核酸医薬を確立する。その結果、抗体医薬、核酸医薬、細胞療法、ポリマー型抗癌剤 などの新しい医療の効果を高める。
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研究成果の概要 |
癌周囲の微小環境の中でも高い間質液圧は薬剤の到達を妨げている。Pre実験によって、細胞表面と間質の主基質であるコラーゲンとの接着に働くIntegrinβ1 (ITGB1) に注目した。ITGB1は2価イオンであるカルシウムによって折りたたまれた不活性型構造を取る。HT29細胞をコラーゲン上に撒き、カルシウムまたはカルシウムを含有するナノ粒子を添加すると活性型ITGB1が減少した。動物実験でも、カルシウム含有ナノ粒子の静注により腫瘍部のカルシウム濃度の上昇がみられ、腫瘍間質液圧が低下した。この事から、腫瘍周囲の間質を制御する薬剤としてカルシウムを含むナノ粒子が有用である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌周囲の高い間質液圧は薬剤の到達を妨げている。細胞表面と間質の主基質であるコラーゲンとの接着に働くIntegrinβ1 (ITGB1) に着目した。ITGB1は2価イオンであるカルシウムによって不活性型構造を取ることから、カルシウム含有ナノ粒子のマウスへの静注により、腫瘍間質液圧が低下し、高分子物質の腫瘍への集積が高まった。この事から腫瘍周囲の間質を制御する薬剤としてカルシウムを含むナノ粒子が有用である可能性が示唆された。本研究の成果は、薬剤の副作用の低減や、高価な生物学的製剤等の投与量を抑えることに繋がることから極めて重要な知見といえる。
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