研究課題/領域番号 |
21H04846
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
正木 治恵 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (90190339)
|
研究分担者 |
川上 英良 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30725338)
河井 伸子 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50342233)
田所 良之 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50372355)
磯野 真穂 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (50549376)
川久保 俊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50599389)
佐々木 ちひろ 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (50845071)
大塚 眞理子 長野県看護大学, 未登録, 学長 (90168998)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2022年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2021年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
|
キーワード | 高齢者ケア / ケア改善システム / リアルタイム生活情報 / 人工知能 / センサ機器 |
研究開始時の研究の概要 |
ケアサイエンスが新たな科学として注目される中、高齢者の実生活の場からリアルタイムの情報を収集して、分析結果に基づきケア向上を図るデータ駆動型研究は有力なアプローチである。本研究は、高齢者の生活の場からのリアルタイムのIoT情報と高齢者・家族、介護スタッフの反応ならびにケア提供者の実践知を、看護学・医学・工学・文化人類学の研究者がAI解析を含め集学的に分析し、革新的高齢者ケア改善システムの確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
本年度は、本研究計画の4つの研究のうち、昨年度研究協力施設①(A施設)で開始した研究1(センサフージョン)ならびに研究3(ナビゲーションシステム)を継続し、研究2(暗黙知モデリング)について着手した。研究1ならびに研究3では、A施設に設置したセンサ機器ならびに介護ロボットを使用した結果、介護スタッフにどのような効果や影響があったかスタッフ全員へのインタビューにより明らかにし、センサ類を活用したケア改善に関する知見を学会発表した。また、排泄ケアに役立つセンサ機器を新たに設置し、その活用について業者と共に検討した。研究2では、研究対象高齢者のケア情報を仮名加工情報として取り扱い、センサデータとケアスタッフの看護・介護記録との照合から、暗黙知モデリングを導く方策について検討した。また、米国のNurseTECH labプロジェクト開発者を招聘し、ケア情報をAI解析する際の留意点等について意見交換した。 昨年度より継続してもう一つの研究協力施設②(B施設)に研究開始のための検討を重ねたが、本研究計画で求めるケアスタッフへのインタビュー等に係る負担や、看護・介護記録提供における個人情報保護の方策に妥協点が見い出せず、本研究への協力は不可となった。また、A施設に設置したセンサ類の維持費が予算想定を超えたため、B施設に本研究費を使用してセンサ機器類を設置することは不可能であることも判明した。 そのため、急遽計画の一部を変更し、既に施設内にセンサ類を設置している施設を新たに探索し、ケアスタッフへのインタビューを中心とした計画で研究協力を打診した。施設の選定にあたっては地域性を考慮し、A施設とは異なる関西圏の施設を選定し、計画変更に伴う倫理審査申請を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画に従い、複数施設でのデータ収集のための2つ目の協力施設を模索したが、施設側の協力条件ならびに本研究の予算面から、当初計画の変更が必要であることが判明した。変更した研究計画であらためて倫理審査申請を進めると共に、分担研究者の在住地域である関西圏での協力施設を探索した。その結果、1施設より検討の可能性を示唆されたが、本年度内には施設側の都合がつかず、年度を超えて研究協力の打診をすることになった。本研究が扱うセンサ類のデータと看護・介護記録は入居者の個人情報を含むため、その保護を含めたデータ送受信について施設側の了解を得るプロセスに時間を要した。多くの高齢者ケア施設で介護人員不足が顕著であり、そのような状況において研究への協力を受け入れてもらうには困難が大きい。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、現場のニーズに沿った開発とするため、高齢者やケアスタッフなどその“場”を共にする人々と研究者とが協働して計画、運営、評価しながら進めていくことを前提としている。 新規に依頼する研究協力施設については、施設側の要望を取り入れながら実施計画を適宜調整すると共に、これまでの研究成果をまとめることで、研究遂行の推進力を得る。 また、研究成果としての暗黙知モデリングの精度をあげるため、センサデータとケアスタッフの看護・介護記録データの蓄積を図る。 最終年度となる次年度に向け、研究成果を現場に還元しながら、生じた課題について現場の人々と共に検討し、本研究で設置したセンサ類や介護ロボットを研究協力施設が自立して活用していくための道筋を明らかにする。
|