研究課題/領域番号 |
21H04848
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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研究分担者 |
那波 伸敏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30617543)
土井 理美 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40778982)
杉原 玄一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70402261)
谷 友香子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70735422)
伊角 彩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70773175)
松山 祐輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (80830124)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 子ども / オンライン / インターネット / ソーシャル・キャピタル / 社会的つながり |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、コロナ禍によって対面のつながりが減り、オンラインのつながりが増えた現象を自然実験として活用し、オンライン講義やSNSによるネット上のつながりが子どものウェルビーイングに与える影響とその機序について明らかにし、子どものウェルビーイングを最大化するオンラインの社会的つながりの最適値はどこかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、コロナ禍によって対面のつながりが減り、オンラインのつながりが増えた現象を自然実験として活用し、オンライン講義やSNSによるネット上のつながりが子どものウェルビーイングに与える影響とその機序についてコロナ禍以前から開始している多学年のコホート調査(足立区子どもの健康生活実態調査)を比較し因果関係を明らかにすることを目的として実施した。まず、差分の差分析によって、コロナ禍でオンラインのつながりが増えたと考えられる学年について4年生から6年生までの虫歯の変化を観察した。さらに、コロナ以前のオンラインのつながりがあまりなかったと考えられれる学年が4年生から6年生までの間における虫歯の変化を観察し、これらを統計的に比較した。その結果、差分の差分析によるう蝕の学年とコホートの交互作用項では、COVID-19曝露コホートのう蝕は、COVID-19未曝露コホートと比較して0.116(95%信頼区間0.015、0.216)個の有意な増加を示した。COVID-19パンデミック後、子どものう蝕はわずかに増加した。パンデミックが子どものう蝕に与える影響を評価するためには、より長期間の追跡調査を行う必要があると考えられた。
さらに、既に1度追跡調査を実施したA-CHILD studyの参加者の20歳における追跡調査をA-CHILD NEXTとして実施した。質問紙ではコロナ禍におけるオンラインでのつながり、対面のつながりについて後方視的に調査した。現在、データ解析中である。
また、A -CHILD Studyの最大コホート学年が中学2年生となる本年、全生徒を対象とした質問紙調査を実施した。現在、データ解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナにより調査が制限されていたがその制約がなくなってきたことが大きく、順調に進んでいる。ただし、追跡調査の参加者のリクルートについては以前苦慮しており、ネットによる申請を導入するなど工夫している。
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今後の研究の推進方策 |
1)2020年度までに実施したA-CHILD studyを用いてオンラインの社会的つながりと小4から小6にかけてのウェルビーイングの変化との関連について対面のつながりについて層別化し差分の差分析によってウェルビーイングへの影響を踏まえて論文化する。 2)既に1度実施済みのA-CHILD studyの参加者の17歳における追跡調査をA-CHILD NEXTとして実施する(N=20)。質問紙ではコロナ禍におけるオンラインや対面でのつながりについて後方視的に調査する。さらに内的動機付けおよびロールモデルの有無について心理面接によって調査する。採血、唾液、口腔内細菌叢、テロメア、炎症マーカー、ホルモン(オキシトシン、レプチン等)、コレステロール(HDL、LDL等)、HbA1c等を測定する。さらに血圧、交感神経・副交感神経の活性度および自律神経のバランスを把握できる心拍変動を測定する。脳画像検査では3テスラのMRI撮像により脳各領域、特に内側及び外側前頭葉と頭頂葉の機能的結合を測定する。そして詳細な栄養状態を把握できるBrief Dietary Habit Questionnaireも実施。オンラインでの撮影により表情や姿勢についても調査する。 3)A-CHILD Studyの最大コホート学年が中学2年生となったデータが纏まったので、縦断調査としてのデータ解析を行う。この質問紙でコロナ禍におけるオンラインでのつながり、対面のつながりについての影響を検証する。さらに学校健診データとリンクさせ、肥満や糖尿病との関係性も明らかにする。 4)東京大学、早稲田大学と連携し、コホート学年の小2の生活習慣データを学力データとリンクさせ、解析を行う。この時期はコロナ前の時期であり、オンライン教育の前の状況の評価を行う。
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