研究課題/領域番号 |
21H04854
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡村 智教 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00324567)
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研究分担者 |
原田 成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10738090)
東山 綾 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20533003)
平田 あや 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20845739)
沢村 達也 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30243033)
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
久保田 芳美 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60403317)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 変性リポ蛋白 / LDLコレステロール / HDLコレステロール / 生活習慣 / 疫学研究 |
研究開始時の研究の概要 |
Lectin-like oxidized LDL Receptor (LOX-1)は内皮細胞の変性LDLの受容体であり、変性LDL、変性LDLの催動脈硬化作用はLOX-1を介している可能性がある。本研究では複数のコホート集団の疫学研究で、通常の血中脂質検査に加えて変性LDL、変性HDLと脳・心血管疾患との関連を評価し、病型の決定にこれらの因子がどのように影響しているかを明らかにする。また変性リポ蛋白の生活習慣上の規定要因を血中等のメタボローム解析も含めて検証する。これにより将来、変性リポ蛋白を治療ターゲットにした介入研究への橋渡しが可能となり、創薬や予防方法の開発に発展させることが可能である。
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研究実績の概要 |
鶴岡メタボロミクス・コホート研究は、山形県鶴岡市の35~74歳の居住者11,002人を対象とした前向き研究である。ベースライン調査は2012年4月から2015年3月まで実施された。ベースライン調査から新たに発症した動脈硬化性疾患症例に対して、動脈硬化性疾患の既往のない3名の対照者を、ベースライン年、性別、年齢(3年以内)、健診施設を照合してコホート参加者からランダムに抽出した。その結果、合計208名(症例52名、対照156名)の参加者が選択された。参加者の平均フォローアップ期間は3.9年であった。条件付きロジスティック回帰モデルを用いて、肥満度、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症治療薬の服薬、LDL-C、HDL-C、慢性腎臓病、現在の喫煙、飲酒、LOX-1リガンド含有アポBと呼ばれる変性LDL値を調整して、変性HDL(LAA)値の4分位および対数変換LAAの1標準偏差(SD)増分に伴う動脈硬化性疾患発症のオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を計算した。その結果、LAAの最低四分位を基準とするLAAの最高四分位の動脈硬化性疾患発症のオッズ比(OR、95%CI)は2.50(0.703-8.86)、LAAの1SD増分のORは2.16(1.28-3.64)であった。動脈硬化性疾患を病型別に見ると、冠動脈疾患(N=33)のみ線形の関連で有意差を示した。そのため冠動脈疾患の症例数を増やしてLAA、LABさらにリポ蛋白詳細分画を測定し、現在、統計解析を実施中である。また他のコホート集団での変性脂質の測定、測定手技の改良も引き続き実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響もあり、現地へ行ける頻度が減少し、山形県鶴岡市の本学のラボで管理しているコホート内症例対照研究の対象者の選定および検体のピックアップ作業に想定よりも時間を要した。そのため年度内に全ての検体を準備して測定を開始することができず、当初よりも進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
コホート対象地域における発症調査はほぼ順調に実施されるようになり、検体の選定も順調に進みつつある。まだ現地調査が困難な対象地域もあるが、だんだん緩和されつつあり、ほぼ予定通りに進めることが可能と考えている。
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