研究課題/領域番号 |
21H04866
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
澤田 泰宏 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 病院 臨床研究開発部(研究所併任), 臨床研究開発部長 (50313135)
|
研究分担者 |
木野 久志 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10633406)
崎谷 直義 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (30824859)
篠原 正浩 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究室長 (60345733)
吉野 大輔 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80624816)
高野 晴子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (40532891)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2023年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2021年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
|
キーワード | メカニカルストレス / 生体恒常性維持 / 慢性炎症 / 身体不活動 / 適度な運動 / 恒常性維持 / 抗炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
世界中で「Exercise is Medicine」、すなわち、運動は(万能)薬と提唱されている。しかし、恒常性維持に寄与する運動の本質、すなわち「運動とはなにか?」がわかっていない。本研究では、運動の本質の少なくとも極めて重要な一部はメカニカルストレスではないか、という仮説を立てて検証する。メカニカルストレスシグナル経路の下流になるほど関係する分子の数が増える一方で、メカニカルストレスに対する特異性は減ずる。そこで、メカノシグナルの最上流、すなわち細胞によるメカノセンシングに着目して解析を進め、様々な疾患に対してメカニカルストレスを利用した安全で普遍性のある治療・予防法開発の基盤を構築する。
|
研究成果の概要 |
脳慢性炎症のマウスモデルとして高脂肪餌飼育を導入した。受動的頭部上下動では、麻酔の影響で高脂肪餌を摂取しなくなるという問題に加え、麻酔のみで認知機能や不安様行動に明らかな影響が出るという問題を認めた。将来的な臨床への展開を考慮し、麻酔を必要としない受動的全身上下動介入の実験系を確立した。高脂肪餌飼育実験で用いるマウスについて、C57BL/6JとC57BL/6Nでは、受動的身体上下動の糖代謝に対する影響が明らかに異なることが分かった。そこで、以後の実験ではC57BL/6Jマウスを用いることに決めた。高脂肪餌飼育で生じる脳機能変容が受動的身体上下動により有意に軽減されるという実験結果を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メカニカルストレスが運動の生体恒常性維持効果の本体・本質の極めて重要な要素であることを示すことで、運動模倣という観点からの新規疾患・障害治療・予防法の開発への基盤を構築することができた。肢体不自由障害者など、運動したくても運動できない者にも適用可能な簡便かつ日常使用可能な擬似運動刺激負荷装置の開発の基盤も形成することができた。本研究の成果は、例えば、鉄道の客車、飛行機さらにはAI自動運転中の自動車の座席はリクライニングするだけではなく上下動機能を備え、乗り物を用いた移動に健康維持・増進作用が付帯されるようになるといった社会規模の展開・変革につながる可能性がある。
|