研究課題/領域番号 |
21H04881
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
佐々木 節 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (50259983)
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研究分担者 |
村上 晃一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 准教授 (10353369)
藏重 久弥 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20205181)
山下 智弘 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20567086)
大町 千尋 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20588967)
阿蘇 司 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (30290737)
歳藤 利行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30377965)
岡田 勝吾 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教 (40731732)
田中 覚 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60251980)
木村 彰徳 足利大学, 工学部, 教授 (60373099)
小井 辰巳 中部大学, 理工学部, 教授 (60831774)
尾崎 正伸 国立天文台, 先端技術センター, 教授 (90300699)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,470千円 (直接経費: 31,900千円、間接経費: 9,570千円)
2024年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2023年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2022年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2021年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 放射線シミュレーション / 超並列計算 / GPGPU / モンテカルロ法 / 超並列 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線と物質の相互作用は、物理法則に従った確率過程であり、その影響の定量的な評価は、モンテカルロ法によるほかはない。放射線を利用する様々な応用分野で、モンテカルロ法の処理時間の短縮が課題となっている。GPUを利用する超並列シミュレータのMPEXSの開発の開発をさらに進め、高速化を図ることで、産業応用や生医学分野での応用に求められる計算時間を実現する。そのような分野で求められる精度と計算時間の両方を満足する実用的な放射線シミュレータを開発し、展開する。
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研究実績の概要 |
放射線シミューションは、モンテカルロ法を採用し、放射線と物質の相互作用を定量的に見積もるために利用されている。モンテカルロ法は、水素爆弾の開発にために発明された歴史があり、計算機の進展とともに発展したきた。歴史的には、多数のモンテカルロ法を利用した放射線シミュレータが開発され、より幅広い現象をカバーし、より複雑な形状を精密に扱うことをも目標に研究が行われてきた。現実的に放射線にかかわるシミュレーションを行おうとすると、膨大な計算量が必要となり、計算時間の短縮が常に大きな問題であった。スーパーコンピュータにプログラムを移植し、超並列計算を行うことが広く行われてきたが、スーパーコンピュータのアーキテクチャの寿命は放射線シミュレータに比べて短く、長期にわたり実用的に使われることはなかった。我々が開発しているMPEXS2は、NVIDIA GPU専用の超並列放射線シミュレータである。CUDA言語を用いて実装されている。CUDAは、2007年に最初のバージョンが公開されており、スーパーコンピュータに比較すると長期間開発が続けられてる。本研究は、放射線治療シミュレーションと細胞レベルにおける放射線の影響の見積もりを大きなテーマとしてしる。ジオメトリをボクセル形状を用いて記述するように制限することで、GPUのSIMD性を生かし、効率的に計算が行えるように工夫している。 放射線治療の分野においては、ことなる放射線種をつかった3種類の治療装置について実際に治療に使われているビームのプロファイルを用いてシミュレーションを行い、結果の検証を行った。実際の患者にたいする線量分布の計算を病院で求められる時間内に行えるようになった。また、制帽レベルにおける放射線の影響を見積もるためにソフトウエアの整備をおおこない、ベンチマークテストを行った。、
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
放射線治療のシミュレーションを病院で求められるレベルの精度と計算速度で行えるようになり、実用化に近づいている。病院では、治療計画装置とよばれるソフトウエア用いて、患者に対する線量を計算している。また、細胞レベルにおける放射線シミューションも整備が進んでいる。様々な線種のシミュレーションが行えるようになった。Geant4-DNAと呼ばれる広く使われているシミュレータの機能をほぼ実現し、GPUを用いてCPUの数千コア程度の性能を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
放射線治療における線量計算に適用し、治療結果の検証や治療計画策定に利用するために必要な性能の実現に向けて、さらなる計算速度の改善を行う。新しいGPUのモデルに対応し、CUDA言語の新バージョンへの適応を行う。複数のGPUを一体にパッケージされた新型のGPUを効率的に利用するための研究を実施する。並行して、細胞レベルにおける放射線シミューションの開発に注力する。細胞レベルにおいては、低エネルギーの多数の放射線を処理するひつようがあり、超並列計算が必須である。すでに、GPU1機でCPU数千コア分の計算能力を有している。より、複雑な事象のシミュレーションを行うために、計算速度の改善と機能の追加を行う。
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