研究課題/領域番号 |
21H04883
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
雨宮 智浩 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (70396175)
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研究分担者 |
池井 寧 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (00202870)
廣瀬 通孝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (40156716)
青山 一真 群馬大学, 情報学部, 准教授 (60783686)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 身体錯覚 / 体性感覚 / 感覚間相互作用 / VR / GVS / メタバース / 身体感覚 / 身体近傍空間 / 歩行感覚 / 歩行 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の遠隔ビデオ会議システムでは身体運動の伝達に課題があることが明らかになってきた.本研究の目的は,中枢から筋への運動指令なしで,感覚間相互作用により身体に関する潜在的知識(身体図式)を更新させ,実際の身体運動で生じる感覚情報とのゲイン調整を適切に行うことによって擬似的な身体移動体験を創出する手法の確立と適用限界の検証である.多様な身体移動体験を多様な利用者に対して安定して提供するため,(A)自然な擬似移動体験を成立させる多感覚統合のために必要な感覚情報のゲイン調整手法, (B)身体錯覚による身体移動体験の拡張条件, (C)多様な身体移動体験の創出手法の有用性と適用限界を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究課題は,身体運動感覚への適切な刺激によって,実際の身体運動で生じる感覚情報とのゲイン調整を適切に行い,それによって擬似的な身体移動体験を創出する手法の確立と適用限界の検証を目的としている.本年度はCOVID-19禍により対面での実験の実施に制限がかかったことから,実験計画を一部変更して行った. まず,擬似的な身体移動体験ではなく,実際に広域空間内を実際に歩行させたときの身体移動体験について実験を行った.VR空間をHMDにより視聴しながら歩行する際に壁面に表示されたアバタの移動速度によって実験参加者の歩行速度が変化することが明らかになった.このとき,アバタが人型のシルエットであるときだけでなく,バイオロジカルモーションで表示されたときにも同様の歩行速度の変化の効果が見られたことから,ヒトの身体構造というよりむしろヒトの歩行動作として認識されるアバタと並走するときに歩行速度が変化することが示唆された.身体移動の体験に複数のユーザが関与する場合に有効な知見が得られた. 続いて,遠隔地でのテレプレゼンスに関する研究として,両眼立体視が可能な撮影配信システムを開発し,頭部運動に伴うブレを軽減させることでVR酔いの生じにくいシステムを実装した.次年度以降はCOVID-19禍において擬似的な身体移動体験を実現するための準備が整ったため,本年度の成果を活かしながら,着座姿勢の擬似的な身体移動体験の生成として,前庭電気刺激を用いてVR酔いの生じにくいシステムの実装と評価を行う. また,立位の姿勢での擬似的な身体移動体験については,運動せずに腱への電気刺激による姿勢知覚変容についても調べ,足首付近の腱に対する刺激によって,前後左右への重心動揺が確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19禍により,一部の実験を大学外で実施するなどを行ったが,本研究課題の目標に向かって着実にトライアルが進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
外部被験者を含めた評価実験の頻度を高め,計画的な論文発表を行う.また,研究成果の見せ方として,実演展示などを含めた手段の検討を再開する.
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