研究課題/領域番号 |
21H04899
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
柴田 智広 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (40359873)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
35,880千円 (直接経費: 27,600千円、間接経費: 8,280千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 知能ロボティクス / 機械力学・制御 / 機械学習 / 計測工学 / 介護 |
研究開始時の研究の概要 |
世界で最も高齢化率が高い我が国では、介護人材不足もこれから加速していく。従って介護の非熟練者は、熟練者の介護スキルをできるだけ早く習得することが必要である。本研究で(1)熟練者の介護スキルを理解することと、それに基づき(2)非熟練者の介護スキル学習を加速することが目的とする。(1)のために、熟練者、非熟練者それぞれについて、同じ相手を介護する際のモーション、表面筋電位信号、床反力および手指の圧力分布などを同時計測し、ベイズモデルや深層学習モデルを用いてスキル特徴を抽出する。(2)では、非熟練介護者のスキル特徴を熟練者のスキル特徴に近づける支援ロボットシステムを開発し、その有効性を実証する。
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研究実績の概要 |
(1)熟練者の介護スキルの理解 慣性センサベースのウェアラブルモーションキャプチャ装置を用いて得られた介護熟達者の高次元運動からのスキル理解の研究について,昨年度は深層学習モデル(変分オートエンコーダ; VAE)を用いて2次元の低次元空間にスキルが表現されている可能性を示した.今年度は,データが時間相関を持つ時系列データであることを陽にモデル化するために,再起型ニューラルネットワークの一種であり少ないパラメータで時系列データをモデル化する際によく用いられるLSTMを導入して,LSTM-VAEモデルを用いた.その結果,熟達者の動作と非熟達者の不適切な動作をより判別できることが分かった.また今年度は,移乗介護を題材に研究を行った.並行して,ベイズモデルであり時系列データを扱うために提案された階層型GPDMを用いた,動作に関する事前知識を用いたスキル理解に関する研究も進めてた. (2)非熟練者の介護スキル学習の加速 移乗介護動作の介護スキル学習加速を行うため,上体を矢状面,冠状面,体軸面に回転する力場を発生するために肩から腰にかけて4組の人工筋を配置し,また両膝にもそれぞれ人工筋を配置した.比例制御システムも開発した.移乗介護動作のスキル学習加速の基礎的な実験を行ったところ,少ない試行数で非熟達者のスキル学習を加速できることを示すことができた(山口,他,SI2022,2022).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実施計画(2)の非熟練者の介護スキル学習の加速について,当初はシステム開発で終わる予定であったが,基礎実験まで完了し学会発表も行うことができたため.
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今後の研究の推進方策 |
(1)多数の介護熟達者のデータを取得し、その高次元時系列データを、今年度開発したLSTMを含む深層学習モデルにより教師無し学習し、低次元特徴空間を自動的に抽出した特徴の理解が可能かどうか検討し、必要に応じてアルゴリズムの改良を行う。 (2)非熟練者の介護スキル学習の加速について、時々刻々の目標介護動作と、ウェアラブルモーションキャプチャ装置から得られる現在の自分の動作を、グラフィクスでモニターに提示するシステムを改善する。また、今年度開発した空圧比例制御を行う人工筋ソフトロボットを用いた、学習者の身体に力場を与え学習加速を促すシステムについて、多数の実証実験を行い、必要に応じてシステムの改良を行う
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