研究課題/領域番号 |
21H04909
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
天野 薫 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (70509976)
|
研究分担者 |
橋本 悠希 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10601883)
本吉 勇 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60447034)
代田 悠一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60804143)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
41,340千円 (直接経費: 31,800千円、間接経費: 9,540千円)
2024年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2023年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | アルファ波 / ジター錯視 / スマート端末 / 脳波 / ストレス / リラックス / 日内変動 / 知覚 / 錯視 / スマートフォン / ビッグデータ / アプリ / ウェアラブルデバイス / 生体情報 / 常時計測 / 脳活動操作 |
研究開始時の研究の概要 |
知覚,認知,運動など多くの機能を司る脳の状態を知ることは心身の健康維持にとって不可欠であるにもかかわらず,脳の状態を測る機会は極めて限定的である.そこで本研究では,脳波計やMRIなどの脳計測装置を使わずに,スマート端末だけを使っていつでもどこでも気軽に脳の状態を計測する技術を開発し,日常的な脳の健康管理による健康寿命の延伸を実現することを目的とする.この目的を達成するため,①スマート端末だけを使っていつでもどこでも気軽に脳の状態を計測するための技術開発,②その技術に基づく,脳状態と活動量や認知機能の関係に関するビッグデータ収集と分析,③脳状態の変調による機能向上,の3つのステップで実現する.
|
研究実績の概要 |
ジター錯視の見えの周波数の個人差および個人内変動がアルファ波周波数の個人差および個人内変動とよく対応していることが分かっている.本研究では,ジター錯視の見えの個人差や個人内変動とアルファ波の強度の関係を調べる実験を行った.具体的には,ジター錯視の振幅を三段階で被験者に評定させつつ,脳波を計測した.その結果ジター錯視の振幅の個人内変動がアルファの強度と逆相関の関係にあることを見出した.一方で,ジター錯視の振幅の個人差はアルファ波の強度と相関する傾向が見られた.現在因果関係を調べるべく,アルファ波の強度をニューロフィードバックによって変化させた際にジターの見えがどのように変化するかを調べる実験を行っているところである. また,ジター錯視の周波数,振幅をスマホのアプリによって計測することで,脳波を直接計測することなくアルファ波の周波数,強度を測定する実験を実施した.本実験では,30名の被験者を対象に3週間にわたって実験を行った.その結果,アルファ波の周波数が日内変動し,昼頃に最も周波数が高くなることが明らかになった.またスマートウォッチで計測した睡眠の質と就寝前のアルファ波の関係を検討したところ,睡眠の質が高い時にはアルファ波の周波数が低い傾向があることが示された.さらに,ワーカホリック傾向が高いひとはアルファ波の周波数が高い傾向があることも示された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は予定通り進捗している.
|
今後の研究の推進方策 |
アルファ波の周波数,強度をジター錯視の見えから推定する技術は確立できた.今後は,ジター錯視のみを用いたニューロフィードバック技術の開発を進めていく.具体的には,ジター錯視の周波数の推定値を時々刻々被験者に画像でフィードバックし,被験者にはそのフィードバックを手がかりに自身のアルファ波を変調してもらう.この方法がうまくいけば,脳を直接測らずにニューロフィードバックを実現し,応用の可能性が広がっていると考えられる.
|